上院議員マイク・ガッバード氏が、オキシベンゾンとオクチノキサートを含有する日焼け止めの販売と流通を禁止する法案2571号を提出した。
同氏はメールで「この2つの成分がサンゴ礁、海洋生物、人間の健康に与える危険性について科学的なリサーチの結果が相次いで判明しています」と述べた。 バージニア州を本拠地とする非営利団体ハエレティクス環境研究所のエグゼクティブ・ディレクターであるクレイグ・ダウンズ氏は「旅行者を楽しませる美しいサンゴ礁は瀕死の危機にさらされています。ハナウマ・ベイ、アヒヒ・ベイ、ホノルア・ベイ、カパルア・ベイ、マウイ島のウエスト・コーストのサンゴ礁がすでに絶滅しています」と語る。
ダウンズ氏が2017年11月にハナウマ・ベイの水質を調査したところ、サンゴ礁の脱色が疑われるレベルのオキシベンゾンが検出された。ビーチに近いサンゴ礁周辺から採取した10のサンプルの結果、ハナウマ・ベイの海水1リットルあたり平均で4,661ナノグラムのオキシベンゾンが含まれていることが分かった。法案を支持している団体フレンズ・オブ・ハナウマ・ベイやサステイナブル・コーストラインズ・ハワイ、ハワイアン問題事務局は、酸化亜鉛や酸化チタンが配合されたミネラル・ベースの日焼け止めの使用を推奨している。ハナウマ・ベイのギフトショップでは、オキシベンゾン含有の日焼け止めの販売を停止した。
コパトーンなどは法案に反対。法案に反対する証言を行ったのは、日焼け止めブランドのコパトーンを展開するバイヤー社、ハワイ薬品協会、ハワイ飲食業協会、パーソナル・ケア製品評議会、アメリカ化学工業協会。バイヤー社は、SPF50以上の日焼け止めの場合アメリカ国内で許可されていてオキシベンゾンと同等の効果が証明された成分は限られていると主張。ハワイ薬品協会は日焼け止めがサンゴ礁の脱色を引き起こしたとする精査された証拠が欠けており、日焼け止めを使用しない場合にがん発症率が増加する証拠の方が圧倒的に多いと述べた。支持団体は18日、ハワイ州会議事堂で日焼け止めのスワップ・イベントを開催し法案可決を求め行進した。ハワイ大学マノア校が運営するケワロ海洋研究所のディレクターであるロバート・リッチモンド教授も行進に参加。「オキシベンゾンさえ使わなければサンゴ礁が安泰だと言いたいのではありません。与える影響を今日から少しでも少なくできれば、将来起こりえる様々な問題に対処する時間が稼げるのです」と同教授は語った。
(日刊サン 2018.04.28)