日刊サンWEB

過去記事サイト

電気バスのテスト運行マウイ・カウアイでも

Bynikkansan

4月 21, 2018

二酸化炭素を排出しない公共交通機関のテスト運行が今年後半にはマウイ島とカウアイ島でも開始される。 オアフ島では、中国を本拠地とするBYDモーターズ社が制作した電気バスがテスト運行を開始する。2月までオアフ島で試験運行に導入されていたカリフォルニアのプロテラ社製の電気バスが既にマウイ島に運ばれており、今月中にカウアイ島にも輸送される予定。秋には州の運輸局がプロテラ社とBYD社両方のバスを使用してダニエル・K・イノウエ国際空港ターミナルとレンタカー施設を結ぶシャトルバスの試験運行を開始する。

 

両社が11日に、イオラニ宮殿で電気バスの車体をお披露目。デービッド・イゲ知事がイベントに出席し、ハワイが化石燃料への依存を減らし2045年までに再生可能エネルギー100%を達成するために、試験プロジェクトが重要なキーとなると語った。ハワイ州すべて、2035年までに2車両を100%電気化ハワイ内の全郡は2035年までにバスだけではなく公共業務に使用する車両や緊急車両を含む各郡所有の車両を100%電気化するという目標を掲げている。 市の交通サービス課副ディレクターのジョン・ノウチ氏は、2月に実施したプロテラ社製のバスの試験運行の成果は良好だったと語る。「乗客の皆様からは好意的な意見を頂いています。静かな乗り心地が気に入られた様です。ほとんどの運転手も運行を楽しんでいました。否定的な意見は出ていません」と同氏。

 

プロテラ社製電気バスの試験運行は市内の20ルートで実施された。1度のチャージでアラモアナ~ハレイワ間を往復で運行できたという。電気バス運行における大きな検討課題は運行範囲であり、ノウチ氏によれば一般的なバスルートの運行時間が10~12時間なのに対し、市のルートは2~18時間だという。プロテラ社製のバスは1度のチャージで250マイル走行可能で、急速充電にも対応可能。BYD社副社長のボビー・ヒル氏は、電気バスはわずか3~4年で燃料使用のバスよりもコストが削減できると話す。電気バスは1台70~80万ドルで、50~60万ドルのディーゼルやハイブリット・タイプのバスよりも高いが、メンテナンスや燃料にかかるコストが低い。

 

プロテラ社はバスの新車1台を購入した場合10年間で他のタイプのバスよりも45万ドルもコストが節約できると主張する。同社は30州で550台のバスを売上げており、BYD社は世界中でおよそ4万台のバスを売上げている。

 

(日刊サン 2018.04.21)