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低価格住宅法案、承認間近

ホノルル市議会は3月28日、低価格住宅法案と呼ばれる法案58号の最終承認を可決。カーク・コールドウェル市長はこの法案が市の弁護士による標準審査を通過したらサインをすると表明。市長は議会が法案を通過させたことを称賛し「開発や低価格住宅に関連するコミュニティから多くの意見を取り入れてきました。完璧ではありませんがサインするべき法案です」と述べた。市議会の採決は8-0で承認されたが、イカイカ・アンダーソン議員は出席していなかった。

 

開発業者が住宅開発を行う際にどの程度を低価格住宅に割り当てなければならないのかという『インクルージョナリー・ゾーニング』の発令については、ハワイで数十年間わたり議論が続けられてきた。住宅問題の言論団体は低収入層への低価格住宅の割り当ては必要であり、最低限の年収の層には長期的な住宅の提供が必要だと主張する。一方開発業者や不動産オーナーは割り当て義務を少なくするか0にするよう求めている。低価格住宅の建設を義務化されると経済的に影響を受け、住宅提供の維持が困難になり開発計画の破棄に繋がると主張。さらに市場価格設定の住宅を増やさなければならなくなると訴えた。 近年、低価格住宅要件については開発業者と計画許可局、市議会の間で交渉が続けられていた。現在、開発業者は建設する住宅の30%を低価格住宅に割り当て、オアフ島の中間年収140%以下に10年以上その住宅を提供することを求められるケースが多い。

 

承認された法案58号では、中間年収120%以下の住民に30年以上低価格住宅を提供する場合、低価格住宅に割り当てるユニット数を少なくすることができる。また、開発業者が提供する低価格ユニット数が要件に満たない場合、不足ユニット数を現金を支払って補てんすることが出来なくなった。市長は現金による補てんを支持しており「低価格住宅を提供できない開発業者は現金を負担し、低価格住宅のノウハウを持つ人が使用すれば良いのです」と語っていた。ゾーニング・計画委員会委員長のキンバリー・パイン議員は「法案は規制付きで建設することの困難さを認識しており、要件を満たすために複数の選択肢を設けています。法が施行した後の金利の変化に合わせ、低価格住宅の価格や提供期間には段階的アプローチが必要です」と語った。2月にも低価格住宅建設を促進するインセンティブを定めた法案59号が承認されている。この法案では開発業者に市支払う様々な費用の免除や、固定資産税の減税が認められた。

 

(日刊サン 2018.04.11)