100万人以上の利用者を抱えるオアフ最大の公共水道供給システムが、増える運営経費を補うため水道料金の値上げを求めている。
ホノルル水道供給委員会(BWS)は27日、4年間をかけて全体で12.5%水道料金を値上げする草案に対し市民からフィードバックを求めることを満場一致で決定した。この案が承認されれば、水道料金の値上げは2019年中ごろから実施される。草案の内容によると、多くの一般家庭では平均以上の値上がりを実感することになるが、水道使用量のあまり多くない家庭ではほとんど請求額は変わらないだろう。集合住宅よりも使用料の多い傾向がある戸建て住宅の水道料金の値上げ率が大きい。
BWSが示した一般的な例によると、月に9000ガロンを使用する1戸建て家庭の場合、現在月額39ドル78セントの水道料金が2022年には52ドル65セントに。月に6000ガロンを使用する複合住宅の場合、26ドル52セントから4年後には30ドル18セントに値上がりする。農業用市用水や商業施設の場合は料金が調整される案が組み込まれている。今年7月までの現在の会計年度のBWSの予算は3億4400万ドルだが、値上げした場合4年間で2億7100万ドルの増収が見込まれる。BWSは井戸、トンネル、ポンプ、貯水池、2100マイルの水道管を含む水道システムの維持費をすべて使用者からの水道料金で賄っている。
7年前の時点で45%の水道管が設置から40年以上経過した状態であり、BWSは今後1年あたり21マイルの水道管の交換を10年継続していきたいと望む。BWSは2006年に5年間をかけておよそ50%値上げしたのに続き2011年にも5年間で70%の値上げを行っているが、今回は大幅な値上げは避ける。公聴会は4月と5月に開催され、値上げ案に対する水道利用者からのフィードバックを集める。市とその契約業者は謝罪し、個人情報が流出した可能性はないとコメント。事態の原因は9月15日に発生したサーバー障害だと述べた。データが破損していると報告を受け問題が発覚したのは今年の2月で、市と業者は協力して問題の究明に努めた。免許証の再発行を試みた人の中には個人情報にアクセスできないという理由で手続きができなかったケースも複数発生している。
(日刊サン 2018.04.07)