州の産業経済開発観光局(DBEDT)は、トランプ大統領の税制改革により今年は年収1万ドル以下のハワイ住民が平均1182ドル税金を抑えられると算出した。この額は税・経済政策研究所が昨年12月に見積もった額よりも多い。しかしハワイの個人納税者が減税を受ける総額はどちらの試算でも大差はなく、DEBEDTが7億1000万ドル、研究所は6億5900万ドルと見積もった。さらに研究所はハワイの法人とパススルー企業が減税される額を6億900万ドルと試算している。 DBEDTの報告書全体を見ると、大半のハワイの納税者は2018年分の納税後に手元に残る収入が多くなると示された。高収入層は、州税と地方税に控除限度額が設けられているため個人税は例年より高くなる。しかし州のチーフ・エコノミスト、ユージーン・ティアン氏は、年収50万ドル以上の層はその収入の多くを所有するビジネスや投資によって得ているため、減税の恩恵を多く受け個人税の増税分は帳消しされると語る。これらの恩恵を差し引いた場合、年収50万ドル~100万ドルの納税者の今年の連邦税は2438ドル以上、年収100万ドル以上の層は3万3941ドル以上になると予想されている。
減税による個人消費拡大を期待
ハワイでは年収2万5000~5万ドルの層が約17万7520人と最も多い。この層は今年およそ857ドル税金が安くなる見込み。9万2030人が該当する年収1万ドル以下の層は、新税法で未成年者扶養控除が2倍となり還付額も扶養する未成年者1人あたり1400ドルに増額された。この標準控除の増額は低~中所得層にとって大きな恩恵となり、多くの納税者が項目別控除から標準控除へ移行すると予想されている。報告書では、独身者や世帯主として申告するよりも合算申告者の方が減税の恩恵が大きいとされた。DBEDTのディレクターは、減税により個人の可処分所得が増えることで個人消費額も増え、ハワイの経済成長が期待できると述べた。
(日刊サン 2018.03.23)