カーク・コルドウェル市長が15日、オアフ島内の高層ビルにスプリンクラー設置を促す2つの法案にサインし、法制化が決定した。しかし約150棟のビルにスプリンクラー設置を義務付ける3番目の法案はいまだ市議会を通過していない。これらの3法案は昨年7月に起きた高層コンドミニアム『マルコ・ポーロ』の火災を発端としている。4人が市死亡した大火災は、スプリンクラーがあれば被害が抑えられたとされている。消防局のマニュエル・ネヴェス氏は「スプリンクラーに代わる防御策はありません。24時間連続で大切な家族や家財を守ります。消防局の隣に住むよりも有効でしょう。スプリンクラーによって消火または抑制されていれば、消防隊員もより安全に活動できます」と語った。
最大2000ドルの税控除未装備ビルは368棟
市長がサインした法案101号は、所有するユニットや廊下等共有エリアにスプリンクラーを設置したコンドミニアムやアパートメントのオーナーに、最大2000ドルの税控除を認める。控除が適用されるのは、居住用不動産免除申請者または自己使用不動産の場合のみ。法案102号では、自動スプリンクラーシステム設置に関する建設許可やプラン評価の際にコンドミニアムやアパートメントのオーナーが市に支払わなければならない費用の免除が定められた。通常は、100万ドル予算の設置計画の場合1万ドルを市に支払わなければならない。消防局によると、各ユニットを含むビル全体にスプリンクラーを設置する場合は8000~2万2000ドルかかり、共有エリアにのみ設置する場合は5000~1万ドルになるという。現在ホノルル市にはスプリンクラーを設置していない住居ビルが368棟あり、ユニット数は合計で3万8000~9000戸に上る。全てスプリンクラー設置を義務付ける1975年以前に建てられている。コルドウェル市長は、スプリンクラー未設置のおよそ150棟に対し廊下や共有エリアに設置を義務付ける法案69号の承認を議会に求めていた。市長は承認された他2案のインセンティブは評価するとしたが「実際に設置を義務付ける法がなければ、設置の徹底には時間がかかるか動きが無い可能性もあります。その場合、高層ユニットの住民にも消防隊員にもリスクが残ることになります」と述べた。69号は執行・法務委員会の最終承認に進む予定だったが、市議会の議長不在により延期された。19日にアーニー・マーティン議員に代わりロン・メナー議員が議長に就任する予定。
(日刊サン 2018.03.23)