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最近コンドミニアムの改装の依頼を頂くことが多くなってきたため、今回は簡単にその流れや注意点についてご紹介致します。

 

内装工事であっても諸認可を受ける必要がある

Fee Simpleでコンドミニアムの一室を買ったからといって何をしても良いわけではありません。基本的にはコンドミニアムのアソシエーション(管理組合)に工事内容を図面として提出をして承認してもらい、ホノルル市へも建築許可を申請する必要があります。アメリカでは、コンドミニアムは商業ビル扱いとなってしまい、諸認可には建築士及び電気設計士、機械設計士による図面が必要となります。工務店に相談する前に、まずは建築士と話し合うことを強くお勧めします。

 

諸認可が必要となる境界線

カーペットやフローリングといった床材をやり直す場合や、壁の塗装といった仕上げのみの工事の場合には基本的に諸認可は必要ありません。また、家具の入れ替えについても同様です。ただ、電気工事や機械(水道・ガス)が含まれるような工事、もしくは総工費が$1,000を超えるような場合にはアソシエーション及びホノルル市の認可を受けることが義務付けられています。これは修繕の領域を超えるであろうという境界線で、それほどの規模になればハンディーマンではなく、きちんと免許を持った建築士及び工務店が責任を持って計画・工事を行うことにより、不測な事故が起きないよう、また万が一起きてしまってもきちんと保険でカバーできるようにする必要があるという考えです。 外観は変えられない  ほとんどのコンドミニアムが、外観を変えることに関してはとても厳しいです。ラナイを閉じてしまい、部屋の一部にすることを認めているコンドミニアムは多数ありますが、具体的にどのような窓枠でどういったデザインでなければならない、といった細かい規則が定まっています。また、エアコンについても同様です。窓枠にはめるタイプのエアコン(Window Unit)や室外機をラナイに設置すると、外から見える可能性があります。これを規制しているコンドミニアムも多数ありますので、きちんと管理組合の規則(House Rule)を参照することが大切です。

 

いずれも、日本での改装工事よりもかなり時間のかかるプロセスになりますので、計画については出来るだけ早めに始めることをお勧めします。

 

(日刊サン 2018.02.07)

 

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鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。