地元開発業者のスタンフォード・カー社が15日、ハレ・ケワロと名付けられたカカアコの低価格アパートメントの着工を記念し式典を開催。およそ1年後には市鉄のアラモアナ・センター駅予定地近くに128戸の低価格住宅が完成する。世帯年収が2人世帯2万5110ドル、4人家族で3万1380ドル以下の世帯が、月額賃料最低516ドルから入居できる予定。ベッドルームの数が1〜3の複数のタイプのユニットが用意される。
カー社は「私達は労働者層の家族世帯こそ住宅が必要だと強く訴えたいのです」とコメント。この計画は多くが州の資金で賄われている。ハレ・ケワロの完成予定は2019年3月。近くに2014年後半に完成済みの、ワイホヌア・コンドミニアムタワーと連携した州の低価格住宅要件の下で建設される。カカアコ地区の開発を管理する州機関ハワイ地域開発協会(HCDA)が定める規則では、ワイホヌアの341棟のコンドミニアムは20%相当を中間年収層のために低価格で提供しなければならない。
ワイホヌアを手掛けたホノルルを本拠地とする開発業者アレクサンダー&ボールドウィン社は、2011年にワイホヌアから1ブロック離れたピイコイとコナ・ストリートの角にHCDAの要件に沿った5階建て1ベッドルーム72戸の賃貸住宅を建設すると発表。HCDAは月額賃料を15年間低価格に維持するよう求めているが、この物件は50年間低価格に維持し、ホノルルの中間年収60%までの年収のシニア世代を対象に貸し出すとした。しかしA&B社は計画の継続が困難となり、カー社に計画の譲渡を持ちかけた。
HCDAはハレ・ケワロを2016年末までに建設開始するよう求めていたが、カー社が州の資金援助を獲得したり11階建てにしてユニット数を増加する準備のために猶予を与えた。ハレ・ケワロは中間年収30%以下の年収世帯が入居できる価格で、60年間はその価格が維持される。
月額賃料は516〜1522ドルを予定
A&B社はカー社に190万ドルでハレ・ケワロ建設予定地を譲渡。ハワイ住宅金融開発公社(HHFDC)から2900万ドルの債券、連邦と州の税金控除440万ドル、1400万ドルのローンの援助を受けた。10年間有効な税額控除は投資家に売却され、カー社は現在2200万ドルを得ている。計画の費用総額は5300万ドル。
2017年度の年収を基にして計算した場合、月額賃料は516ドル~1522ドルになる。128ユニット中13は中間年収30%以下の年収世帯に提供される。65ユニットは、中間年収50%以下、49ユニットは中間年収60%以下世帯が対象となる。ホノルルの昨年の中間年収は2人世帯8万3700ドル、4人家族世帯が10万4600ドルだった。
カー社によると、管理事務所のハワイ・アフォーダブル・プロパティーズ社が完成のおよそ2カ月前、来年の1月頃より入居者の募集を開始する予定。
(日刊サン 2018.02.28)