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チャーター・スクール人気で私立校入学者が減

Bynikkansan

2月 22, 2018

ハワイの私立校入学者数は10年前と比較して12%減少。私立の教育が長らく支持されてきたハワイ州にとっては大きな減少となった。一方でパブリック・チャーター・スクールの入学者は10年前から77%の増加。州の教育機関の情勢は転機を迎えている。

新しいチャーター・スクールは親が私立校に望むようなクラスの少人数化や革新的な教育手法といった要素が多く取り込まれているが、費用は適正。他の公立校と同様に授業料がかからない。

地元報道紙のデータ・アナリストによると、ハワイ内の学生の入学先の比率は、伝統的な公立校の入学者が80%と10年前と変わっていない。私立校は17%から15%に減少し、チャーター・スクールは今や5%となった。

私立校入学者の減少が始まったのは2008年の経済危機から。以降は学校の財政難や入学者数の低迷によりハワイ内の私立17校が閉校。小学校以上の課程をあきらめ就学前教育だけを継続する学校も現れた。

前教育年度でハワイ内の私立小中学校に入学した生徒数は3万2888人。比較可能な最新データである2007〜2008年度の入学者数は3万7371人だった。

 

チャーター・スクールは 公募型研究開発校

インディペンデント・スクール・ハワイ協会のフィリップ・ボサート氏は「私立校が縮小している原因の一部はチャーター・スクールの成長です。私に言わせれば、チャーター・スクールは公的資金で建てられた私立校です。委員会があり資金集めも行い独自のカリキュラムを持っています」と話す。

同協会は学生の親達に向け、私立校は授業料が高いだけではないことを発信しようと努めている。「5年前から私立教育の広報の必要性を痛感し、ラジオや新聞で宣伝を始めました。私立校ガイドを医療施設や不動産事務所のオフィスへ送付し、毎年教育フェアも開催しています」とボサート氏。

一方チャーター・スクールの入学者は、2008年の6003人から2017年には1万634人を記録。そして今年は526人増加した合計1万1160人となった。2008年以降9校のチャーター・スクールが開校。今年秋にも2校の開校が予定されている。 チャーター・スクールは州のパブリック・チャーター・スクール委員会の許可や規定の下で運営されるが、報告は州の教育委員会ではなく学校独自の委員会に行う。

委員会のシオン・トンプソン氏は「依然として学校を選択したいという高いニーズがあります。目の行き届く少人数クラスが評価されています」と語った。

(日刊サン 2018.02.17)