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カカアコに新しい低価格住宅 『イリラニ』を計画中

カカアコでコンドミニアム・タワーの開発を計画中の業者が、物件の半分を低価格住宅にする替わりに州機関からの経済的支援を求めている。『イリラニ』と名付けられた328戸の計画は2年以上前から進行中で、入居者の収入の状況に応じて30万ドル前後の価格から提供される予定。

この計画の開発業者は、地元建築家の兄弟ヘンリーとケネス・カイ・チャンが率いるイリラニLLC。同社は当初、ハワイ地域開発局(HCDA)が定めた「政府の経済支援を受けずにタワーの住民75%以上をホノルルの中間年間収入の140%以下の収入の人にする」という条件の下で、通常の2倍の密度で建築する許可を受けようとしていた。

しかし9月の州機関委員会による低価格住宅に関する規則の見直しを受け、チャン兄弟はイリラニ計画の許可をHCDA以外の機関に申請し、経済支援を受ける事に決めた。その矛先となった機関はハワイ住宅経済開発公社(HHFDC)。

ヘンリー・チャン氏は23日夜にアラモアナ‐カカアコ近隣委員会で計画の改正案を説明。しかし会議後に同氏は、HHFDCから受けられる支援の予想金額を含め金銭的な見通しを語るには時期尚早だったと語った。HHFDCは低利子のローンを提供し、州と連邦から税額控除を受けることも可能。さらにゾーニング基準や、通常開発業者が公園や下水道接続に支払わなければならない代金と一般消費税を免除させる支援も行う。

イリラニは議会でカカアコ地区に定められた400フィートの高さ制限に則り、367フィートの高さで開発が提案されている。チャン氏は、HHFDCの支援を受けて建設された『カピオラニ・レジデンス』と同様のタワーを想定していると話す。カピオラニ・レジデンスはスタジオタイプから3ベッドルームのタイプで構成され、低価格ユニットの価格は30~60万ドル。市場価格ユニットは50~100万ドルで設定されている。

このコンドミニアム・タワーはアラモアナ・センター近くに2016年後半に完成し、484戸のうち292戸の低価格ユニットの購入に900人の地元住民が応募。チャン氏は「私達がHHFDCと作り上げようとしているのはカピオラニ・レジデンスと同様の、需要が大変高い住宅です」と加えた。

同氏はイリラニが1~2ベッドルームのユニットで構成され、51%にあたる187戸を中間収入層に低価格帯で提供する予定だと語る。このうち10%は中間年収の80%以下の年収に相当する1人世帯で5万8640ドル、2人世帯で6万6960ドル、4人家族世帯で8万3680ドル以下の年収の世帯に提供される。

あと10%は中間年収以下、15%は中間年収の120%の年収以下、残りの15%は中間年収の140%以下の年収の世帯に割り当てられる。

イリラニの建設予定地は、ケアヴェ・ストリートのハレカウヴィラ・プレイスの北で、州が所有する高齢者向け賃貸アパートメント、ポフラニに隣接する。計画中の私鉄の駅がまたがる影響で、イリラニの駐車場は1ユニットに1台程度の台数で提案されている。イリラニは環境影響評価書を作成予定で、他の開発業者も獲得を狙っている金銭支援を含むHHFDCからの許可を必要としている。

チャン氏は、計画の実行までにはあと2年半かかるだろうと述べた。

 

(日刊サン 2018.02.07)