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新年を祝う違法打ち上げ花火 手を失う怪我も

Bynikkansan

1月 6, 2018

@pixabay

 

 個人消費用の花火の無断打ち上げがオアフ島で禁止されて7年目になるが、今年も花火による負傷や火事の報告で慌ただしく危険な新年の幕開けとなった。しかし近隣住民の活躍や運が良かったせいか件数は多く無かったという。

 ホノルル市消防局のスコット・セグイラント隊長が1日「惨事は免れました」と、報道会見で語った。「酷かった昨年に比べて今年はトラブルが減少しました。しかし報告されていない火事がどれくらいあったかは不明です。今年は、近隣の方々の素早い消火活動に救われたと言ってよいでしょう」と同氏。消防隊員は大晦日の夜から1日の朝にかけて花火に関連した6件の出火に対応したが、どれも重大な被害には至らなかった。ハワイ・カイで起きた山火事も速やかに消火され、住宅まで火が届かずに済んだ。

 深刻な負傷を受けた事故は複数報告された。モキハナ・ストリートでは、21歳の男性が花火の爆発により手を失う怪我を負い、救急隊員が病院へ搬送。ハワイ島でも男性が手に持っていた花火が爆発し、指を失った。38歳の男性は違法花火を落とし走って転倒、頭部に重傷を負った。46歳の男性はガレージで手に持った花火に着火し、熱傷を負った。市の緊急サービス課広報担当のシェイン・エンライト氏は、大晦日の午後6時から1日の午前6時の間に166件の救急要請があったと発表。昨年に比べ花火に関連した負傷の件数は減ったとしながらも「全て未然に防げる負傷なので、1件でも多いのです」と述べた。

 警察は大晦日の夜のハワイ州内の徹底した取締り強化を宣言していたが、ソーシャル・メディアにはマカキロからハワイ・カイまで違法花火が打ち上げられる様子が投稿された。ジョン・マッカーシー副署長はカネオヘで違法打ち上げ花火を配達していた男2人に召喚状を発行したと公表。2人は逮捕はされなかったが重罪として捜査が開始されるという。警察関係者によれば配達に利用していたトラックには数百パウンドの花火、2万5000ドル相当が積まれていた。違法花火を取り締まって発行された召喚状の総数はまだ発表されていない。副署長は、警官が違法花火を取り締まるのは容易ではないと語る。現在警察は違法花火が録画された動画を証拠として召喚状を発行することが可能だが、録画した人が自発的に証明し証言を行わなければならない。

 

(日刊サン 2018.1.6)