地球上には、2017年現在、70億人を超える人たちが暮らしていると言われている。そんな、途方も無い数の人間が存在していても、ご縁のある方とは、世界のどこにいようとも、必要なときに、必要な人と、絶妙なるタイミングで出逢えるんだと改めて実感した出来事があった。
3年前、私は夫アダムのアートの仕事で、798大山子芸術区と呼ばれる北京の現代アートスポットを訪れた。そのとき、あるギャラリーで夫とツーショットの写真を撮ろうとしていた際、私達の横から「お二人の写真を私が、お撮りましょうか?」と声をかけてくれた一人の男性がいた。その男性の一言がきっかけで会話がスタートし、意気投合。その後の数時間、3人でギャラリー巡りをした。その男性は、パリから来ていたフランス人。アートが大好きでアートコレクターでもあり、わざわざパリから北京の798芸術区までアートを観に来たと話してくれた。
別れ際、私たちは「また、地球の何処かで会おうね!」そう約束した。あの日から3年。今度は彼が、アートのイベントに参加する為、数日間だけNYCにやってきた。そして、アダムのアートを実際に観たいと言って、アートスタジオまで足を運んでくれた。 北京でたった数時間一緒に過ごしただけなのに、その後もSNSでやり取りを続けていたこともあり、随分前からお互いのことを良く知っている感覚になったけれど、よく考えたら逢うのは今回が2回目。 それにしても、彼から見習うのはその行動力。いくら、アートを観るためとはいえ、本当にNYCまでやって来るとはすごいバイタリティーだ。 彼を通して、学びが多く、また新しい人脈も広がり、今ちょうど欲しいと思っていた情報も彼がたまたま持っていたりと、不思議なシンクロがたくさん巻き起こった。 一生のうちでご縁をいただける人たちは限られている。それでも、行動することにより、出逢うべきタイミングで、必ず出逢うべき人とは出会えるのだ。人生は、一期一会の積み重ね。
(日刊サン 2017/11/08掲載)