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太平洋戦争の発端となった旧日本軍による、ハワイの真珠湾攻撃から76年を迎えた8日、真珠湾フォード島で、日米合同の戦没者追悼式典が行われた。
式典はアメリカ海軍と在ホノルル日本領事館が、去年から合同で開催を始めたもので、初回は小規模に行いたいという旨により非公開で行われ、今年初めてメディアに公開された。伊藤康一総領事を始め、ハワイ州知事やカーター副司令官、日系退役軍人らおよそ80人が出席した。
真珠湾の中にあるフォード島は当時、激しい攻撃を受けた地で、目の前には戦艦アリゾナの記念館が。戦艦アリゾナは1941年12月7日の真珠湾攻撃で1,177名の兵士と共に沈没した。現在も海底に沈没したままで、参列者は真珠湾に向かって黙祷を捧げた。
伊藤総領事は挨拶で、 「戦争の惨禍は、これに巻き込まれた 個人そしてその家族に、怒りや憎しみといった強い感情を残します。米海軍にとって、日本側の戦没者、すなわち真珠湾攻撃に参加した帝国海軍の59名のパイロットと9名の潜水艦乗組員を含め、日米双方の失われた命と捧げられた犠牲を追悼するこの式典を共催するには、様々な苦労と困難もあったであろうと思います。あらためて米国民の皆様の寛容の心に感謝します」
そして真珠湾攻撃とその後の戦争により奪われた全ての命に、心から哀悼の意を捧げますと述べた。また、去年、安倍首相とオバマ大統領がともに真珠湾を訪問したことなどを挙げ、 「恒久平和を願う『和解の力』は、参列者や多くの皆様の献身により、育まれてきたことに敬意を表します」と述べた。 (取材・文 奥山夏実)