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クリスマスツリー 供給不足による値上げ

Bynikkansan

12月 7, 2017

   ホノルルのクリスマスツリー販売業者によると、今年は供給が少なく高値になるという。クリスマス・ハワイ社のリチャード・タジリ氏は、最も人気のあるノーブル・モミノキの数が少なく、ワシントン州から僅かしか入荷できなかったと話す。「去年に続きノーブル種が不足しています。今年の夏の高い気温が原因で多くの木が日焼けしてしまったのでしょう」と、同氏。結局昨年より500本少ない4000本を入荷し、ユニバーシティ・アベニューのヴァリスティ・シアター跡地で販売中。ノーブル種の不足を補うため、ノードマン種や、フレイザー種、ダグラス種をそろえ、近年人気の2~4フィート高の小ぶりのサイズも用意された。ハワイで40年以上クリスマスツリーを販売しているタジリ氏は、ここ15年間値上げしていなかったが、今年は6フィート高のノーブル種の最低価格を去年より9ドル高い106ドルにすると述べた。

   農務局の植物検疫課によると、今年ハワイに輸入されるクリスマスツリーはコンテナ170台で、昨年の212台よりも減少する見込み。20~40フィートのコンテナ1台には約500本が収容されるが、木のサイズによってばらつきがある。11月第4週に州の検疫を通過したコンテナは145台だった。

   カネオヘの非営利団体『ハビリタット』は、5000本のツリーを確保したが当初の予定よりも2000本少ないという。シティ・ミルもオアフの8店舗でツリーを販売中だが、去年より入荷数は25%減少したと話す。「ツリー不足は来年まで続きます。供給不足がさらに深刻化しています」と同社の販売担当者は述べた。同社の5~6フィートのノーブル種の価格は20%上昇し最低95.98ドルからで、ダグラス種は最低46.98ドルから。

   一方、地元農園の供給は今年も安定している。ハレマノ・ファームズは、ノーフォーク・パインとレイランド・ヒノキを豊富に用意し感謝祭翌日から販売を開始。価格は70ドルから設定されているという。

   ツリー不足の原因は気候の他にも、太平洋岸北西部の林業者が引き継ぎ手がいないまま引退するケースが相次いでいる背景もある。特にノーブル種は6フィートに成長するまで10~12年間を要するため不足しやすい。全米クリスマスツリー協会は、9年前景気が暴落した時に植樹数が減少し全米各地で不足している状況だが、数年後には状況は好転するだろうと述べた。

(日刊サン 2017. 12. 2)