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ハワイ大学きものプロジェクト晴れ着の着付け会、満員の盛況!

Bynikkansan

11月 23, 2017

UH附属高校で行われた着付け会。きものは初めてという人から9年連続という家族まで畏(かしこ)まりつつ楽しげ。崎原先生門下のボランティアが手際よく着付けていた。 

 

 ハワイ大学の教育学部には、正式な授業単位として、“KIMONO Program”がある。創設者はジーン崎原仁子講師だ。

「きものを着ることで日本文化を実際に体験し、さまざまな形で日本に興味を持ってほしい。外国語の科目でハワイの学生が、一人でも多く日本語を学んでほしいとの思いから、このプログラムはスタートしています」  

 60年近く続くこの科目、現在はハワイ大学の付属高校の1年から3年生までの選択単位科目として、崎原先生は週に4日授業を行っている。きものを通して日本文化を伝える授業を行っているのは世界でも稀、崎原先生とハワイ大学だけの取り組みだ。

「プナホウの高校で日本語を勉強している生徒にも1年に一回、女子には振袖、男子には紋服袴の正装を着てもらいます。それももう30年続けていますよ」  

 延べ1000人以上のローカルの生徒が、きものを通し、日本文化を肌身で体験している。プナホウの小学校でも、2年生3年生の児童に11月、きものを着せて七五三体験をしてもらっているのだそう。そんな崎原先生の文化交流への貢献をたたえ、日本政府は旭日双光章の勲章を贈った。  

 七五三シーズンの先週11月11には、UH付属高校内で、ローカルの人への、きものの着付け会を行った。朝から予約で満員、大盛況だった。毎年恒例で、この日を楽しみに、9年連続で家族全員、きものの着付けをしてもらっている一家も来ていた。

「七五三の年齢でなくても、子どもも大人もきものを着せて差し上げます。何十年もかけて、日本に行くたびにきものを揃えてきましてね、男性の羽織袴、女性の留袖もありますよ」  

 体が大きいローカルのパパが、ちょっと短めの羽織袴を着て満面の笑み。留袖を着るのは初めてという母娘は、

「母は高齢で足を悪くしているのですが、体に負担がかからないよう、留袖を着せていただきました。とても良い記念になります」  

 髪を結うのから着付けまで、崎原先生門下のボランティア女性たちが連携良くお世話をした。 「お正月明けから成人式の時期にかけても、晴れ着を着る会を催す予定です。日刊サンにお知らせを掲載してもらいますので、来年も楽しみにしていてください」

 

(取材・文 奥山夏実)