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デービッド・イゲ知事政権はバケーションレンタルの提供者から税を徴収できるようAirbnb社と租税協定の締結を目指している。Airbnb社によれば住宅を提供するホストから税を徴収した場合、税収が年間3000万ドル増加する見込み。
「知事はAirbnbや他の短期間の宿泊施設レンタルを行う企業に、自発的に租税協定を結ぶよう働きかけています」と、知事室広報担当シンディ・マクミラン氏が述べた。知事のスタッフは、知事とAirbnb社間で交わされる予定の協定内容はプライバシー法に抵触するため公表できないとし、締結時期についてもコメントを避けた。
前回の州議会終了後から課税を目指す動きは水面下で進行しており、反応は賛否両論。議員やコミュニティのメンバーの一部は、議会で2度も停滞した問題を前進させ、税収を増やし州を潤す方針を支持。一方反対派は市民の目の届かないところで問題解決を試みていると批判。現状、Airbnb、税務局、イゲ知事政権以外には協定の内容が不明だ。
Airbnbのポリシーマネージャーであるマット・ミドルブルック氏は、同社が世界中の350以上の地域で税協定を交わしていると話す。「ハワイ州でも税金の徴収に関して過去3年間議員や知事と協定を結ぶ努力をしています」と同氏。
これまでAirbnb徴税法案を推進してきた『オアフ近隣を守る会』『ノースショア近隣を守る会』の代表達は、市民が参画する機会を求めている。「地域や議会でのプロセスを回避されたような気分です。透明性をもって議論されるべきです」と、ノースショア近隣を守る会のキャスリン・パヒヌイ氏。同氏は違法レンタル物件の増加やオアフ近隣の構造の変化、住宅価格の高騰に警鐘を鳴らしている。
リチャード・オオニシ州下院議員と観光委員会委員長のグレン・ワカイ州上院議員は、知事とAirbnbの協定締結を支持。オオニシ議員は「協定の詳細は不明ですが、前進は喜ぶべきことです。私は過去2年間に広域な市民参画の機会があったと考えています。イゲ知事政権が問題を注意深く取り扱っているのは、最初に議会が提出した法案を却下したことからも明らかです」と語った。
(日刊サン 2017. 11. 11)