セントラルオアフのミリラニとワイピオの間にある、かつてのパイナップルや野菜耕地を20億ドルかけて住宅地化する計画がついに始動する。3500戸の住宅開発計画の建設工事開始に伴い、キャッスル&クック・ハワイ社が2日起工式を行った。
計画が生まれたのは1990年代半ばだったが、州の規制やハワイ最高裁判所の審理によって何度も進行が阻まれていた。「私達がコア・リッジ計画を打ち出してから20年以上経ちました。着工を迎え喜んでいます」と、キャッスル&クックのハリー・サンダース代表。
576エーカーの広さを持つコア・リッジには、小売店や飲食店を含む商業施設50万スクエアフィート、病院、ホテル、小学校、軽工業団地が建設され、完成までに10年が予定されている。
農耕地を住宅地へ転換させる多くの計画と同様、コア・リッジも論争を巻き起こした。建設反対派は緑地であり地元に農産物を提供する農地を失うことを不満とし、水質と交通に与える影響を訴えていた。対するキャッスル&クックは、ハワイの人口増加、住宅不足の現状と2500の雇用の創出、都市化の成長を視野に入れたコア・リッジのデザインを主張。さらに建設予定地にあった農地はワヒアワのアロウン・ファームへ移転させると提案し、今年早々に実行を完了している。
この計画は、州の農務局、運輸局の企画部、市の建設計画許可局から支持されているが、様々な規制を乗り越え許可を得るのは困難な道のりだった。
当初1990年代半ばに立案された計画の開発面積は1248エーカーだったが、土地使用コミッション(LUC)から2002年に許可されたのは760エーカーのみ。その後環境保護団体が影響評価書の整合性を問う訴訟を起こし、計画の進行が中断された。数度の裁判を終え、昨年ハワイ最高裁判所がキャッスル社に有利な判決を支持。
サンダース氏は、計画の進行が止まっていた期間でオアフの住宅不足は深刻化し、最初にLUCから許可を得た時点よりも建設コストは2倍以上に膨れ上がったと語る。
コア・リッジの住宅価格は30万ドル後半から90万ドル前半。市との契約により全住宅の30%または1050戸は中間収入層世帯のための低価格住宅とされる。初年度は170戸を建設予定で、2020年までに350戸、2021年には年間400戸のペースでの建設を目指している。
大型店、小規模店を含む小売店の開発は2019年に予定されており、2021年までに住宅と商業施設の統合エリアとして運営する構想。コア・リッジ計画の第2期はキャッスル&クック・ワイアワと名付けられ、192エーカーに1500戸の住宅と小学校を建設予定。
しかしこの開発は隣接する1万2000戸の住宅開発計画『ワイアワ・リッジ』の進行次第であり、着工時期は未定となっている。
(日刊サン 2017. 11. 11)