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中層階の新しいコンドミニアム 400 Keawe の1階にあるお店

 

 

待ちに待った、本格的な和食のお惣菜店がオープンした。その名もずばり、Oh! Sozai(オーソーザイ)。オーナーシェフは後藤哲夫さんとそのファミリー。

ハワイでいくつもの和食店を経営して35年、数々の名物料理を生んできた、後藤さんの料理人生50年の集大成として、伝説のお惣菜がラインナップされた。すべて一からの手作り、マヨネーズもデミグラソースも手作りして当たり前。新鮮で季節を感じる食材を吟味し、添加物や化学調味料は一切使わず、スイーツまでオール自家製だ。なのに値段は毎日でも通える安さ。

「料理は心。食材も腕もセンスも必要です。でも一番大切なのは、お客様に対する思いやりの気持ち。美味しい料理はすべて、思いやりから生まれるんです」

そんな Oh! Sozai に込める想いを紹介しよう。

 

後藤さんファミリー。右から長男の直樹さん、妻の三枝子さん、後藤哲夫さん、

次男の卓樹さん、長女の英里奈さんと夫のスコットさん

 

 

30席ほどある明るいイートインスペース。イタリア製の椅子がおしゃれ

 

権兵衛、はな火、ローカルに愛された後藤さんの料理

 KuruKuru Sushiオーナーの後藤哲夫さんは、ハワイで日本料理の店を始めて来年、35周年を迎える。1983年、最初に出した店がカパフル通りの“権兵衛”だった。

「ハワイで初めて、紀州備長炭を使って焼き鳥を焼く和食店でした」  

 本格的な炭焼きの評判に加え、自家製の甘辛たれで焼き上げるつくねがローカルに大人気となった。ハワイで初めて新鮮なレバ刺しやタン刺しを出したのも後藤さんだ。そして1998年、持ち帰りに特化した2号店、権兵衛 To Go をオープン。コンビニ弁当を買って家で食べる、“中食”なんて言葉がまだない時代のことである。

「お惣菜店をやりたい構想は、ハワイに来てすぐの頃からありました。ハワイに住む人達の気持ちを考えると、高い外食よりも我が家でくつろぎながら、美味しい和食を食べたいじゃないですか。いや、ハワイに来るもっと前からかな。僕の実家は食料品店で、年末になると母が薪の火で栗きんとんや煮豆を炊いて、ご近所さんや得意先に配っていたんです。美味しいものは分かち合って食べたいって思いですかね」  

 その後1999年に京やホテル&リゾート内に、“はな火”を出店。当時、入手が難しかったミョウガやミツバの仕入れルートを作り、ハワイ産の車エビやアワビを目利きしたパイオニアも後藤さんだ。

「おばんざいの大鉢をカウンターに並べて、無料のお通し3品を好きに選んでもらったりしてね」  

 どこか懐かしいポテトサラダや具だくさんの白和え、煮こごりなど、家庭料理を超える家庭料理が喜ばれた。

「ハワイに来る常連さんの中には、ホテルの部屋で食べたいから持ち帰りたいというお客さんも多かった。そういう経験が Oh! Sozai の開店につながっているんです」

 

(左)伝説のポテトサラダが復活! (右)季節の食材を なめらか白和え

 

数々の名物料理、料理人生50年の集大成

 パールカイショッピングセンターもカハラモール店も連日行列のKuruKuru Sushiだが、実はスタンダードな寿司以外にも人気メニューがいくつもある。天ぷらを乗せた寿司や、カルビ寿司、単品の揚げたてコロッケや餃子などなど、なんと120種ものメニューがあるのだという。

 「長年の付き合いですから、魚介類はもちろん、肉や野菜の仕入れルートに恵まれています。120品の料理はもちろん自家製です。デザートのコーヒーゼリーやパンケーキも手作りです。回転寿司というと野菜料理が少ないと思われがちですが、KuruKuru Sushiのサラダは好評なんですよ。ドレッシングも秘伝のレシピで手作りしていますから」  

 そんな後藤さんの料理人としての人生は15歳から始まる。

「役者になりたくて養成所に通っている時、アルバイトで洋食レストランで働きだしたんです。料理は好きでね、母が具合が悪くて寝込んだ時なんか、兄弟の中で僕だけ、小学5年か6年の頃から台所に立っていましたから」  

 長く働いた寿司店では親方にも恵まれ、握り寿司だけでなく、フグの扱いや鍋料理などもみっちり仕込んでもらった。実家が中華料理店を始めたので、中国料理も覚えた。そして独立。神奈川県の川崎で、後藤さんは炭火焼の焼き鳥店を始めた。シソ巻き、アスパラ巻きオクラ巻きなど、ごく薄い肉で野菜を巻く凝った焼き物を次々と考案した。  

 

新鮮活魚の ふっくら照り焼き

 

 ところで、ハワイに移住したのはどんな理由ですか?

「単純に海が好きだったから。初めてハワイに来たのが1971年で、来た途端に大好きになって、パスポート捨てて居ついちゃおうかと思ったくらい。それからもう、女房と30回以上来て、都心に店を出す話があったんだけど、どうせ苦労するならハワイの方がいいやって、それで来たんです。苦労はハワイの方が20倍くらい大変だったけどね(笑)」  

 握り寿司の職人としての腕、焼き鳥店をやっていた時代のつくねや秘伝のタレ、ハワイに来てからのポテトサラダや白和え、煮こごり。そして寿司店ならではの新鮮な魚介の仕入れルート。後藤さんが50年間、大切に育んできたオリジナル料理が、Oh! Sozaiで蘇るのである。

「“はな火うどん”という、今でも語り草になるほど人気だったうどんも復活させます。かつお節と昆布で黄金色の出汁を引いてね、ハワイで手に入る一番上等の黒豚を入れるの。具は豚バラ肉と青ネギだけ。上等の黒豚の脂身は甘みがあって美味しいですからね、それがうどんと絡んで旨いのなんの。また、権兵衛の時から長くご愛顧いただいた焼きおにぎりも復活。手前味噌ですが絶品ですよ」

 

最高品質の食材を使い、栄養バランスよくヘルシーに

「事業としては息子や娘に任せる部分も多いのですが、僕はとにかくクックが好き。一生現役、食のプロデューサーであり続けたいんです」  

 という後藤さん、伝説の名物料理を復活させるだけではなく、新しいメニューの開発にも余念がない。

「朝ごはんは、まず具だくさんのお味噌汁か豚汁に、炊きたてのご飯のセットを用意する予定です。味噌の風味と酵素を生かすよう、保温にも細心の注意を払います。Oh! Sozai のご飯は北海道産の“ななつぼし”です。ザ・ライスファクトリーと全面的に技術協力し合って、最高に美味しい炊き加減で提供します」  

 精米したての白米、もちもち玄米、八穀米が常に用意される。

「少し先になるけれど、洋食の朝ごはんも作りたいと思ってます。アガベとココナッツオイルを使ったフレンチトーストかパンケーキを出そうかな。あとバナナベースの自家製スムージーなども欲しいよね。もうアイディアが尽きないんですよ」  

 最新のヘルスコンシャスな食材も、先刻承知の後藤さん。メニューを語る時は本当に嬉しそう。

「ポテトサラダ、白和え、カボチャやレンコンの煮物、サーモンポン酢やつくねなど、手作りお惣菜9品が入ったププセットも用意します。ご飯のおかずにもお酒のつまみにもちょうどいい味付けを工夫しました」

 

Oh! Sozaiを代表する、おかずセレクション

 

 これだけの品数のお惣菜、家庭で作ったら大変な手間と経費だ。でも Oh! Sozai でなら、おかず1品$2〜という安さ。献立はその日のお楽しみ。

「ランチは$8〜9で食べられる、スペシャルメニューを用意します」  

 ふわっふわタマゴのオムライスや、150gもある自家製ハンバーグには、オープン直前まで味の調整にこだわった、後藤さんオリジナルのデミグラスソースと温野菜がたっぷり添えられている。お洒落なカフェメニューに見えながら、実は本格的な洋食屋さんの味なのだから、人気が出ないはずはない。オープン記念として当面、焼き鳥丼とフレッシュスパイシーアヒ丼は、さらに大サービスの開店記念特価だ。

 

(左)ふわふわたまごが 自慢のオムライス (右)ぜんぶ自家製! ハンバーグ on デミグラスソース 

 

 メインディッシュとなる、ハマチやシャケの照り焼きも、ふんわり上々の焼き上がり。自宅のキッチンを汚すことなく、美味しい焼き魚が楽しめる。

「冷凍の魚は使わずに、活きのいい鮮魚だけを調理します」  

 旬を生かした食材も積極的に。四季をあまり感じることがないハワイにいても、秋には柿の白和え、冬には春菊など、Oh! Sozaiの料理を食べて季節を感じて欲しいと話す。妻の三枝子さんと3人の子どもと、後藤ファミリー総出で新しい店をもり立てていく。

「料理は心。食材も腕もセンスも必要です。でも一番大切なのは、お客様に対する“思いやり”の気持ち。美味しい料理はすべて、思いやりから生まれるんです」

 

 

Oh! Sozai by KuruKuru

【住所】400 Keawe Steet #108, Honolulu HI 96813

【営業時間】11am~6pm 日曜休

【電話番号】808-744-1675

【パーキングのご案内】
SALT(1時間無料)

ダウントゥアース ポフカイナストリート沿い(1時間無料)

周辺にコインパーキングもございます