今、日本の『クロワッサン』900号で、ココナッツオイル特集を掲載している。ハワイからは飯島寛子さんにご登場願った。寛子さんはローカルの “スタジオ リム ハワイ” でパーソナリティとして活躍、最新刊『アロハの贈りもの』が好評のエッセイストでもあります。
趣味はマラソン。20歳の長女を筆頭に、大学生の双子の息子、13歳の三男と、4人の子どもの母なんだけど、お母さんとは到底思えないスレンダーな肢体と美脚! どうしたらそんなプロポーションを保てるの? いつも一体なにを食べてるのっ? と、秘訣をさぐるように訊ねれば、
「我が家は全員揚げ物好き、私も油っこい料理が大好きなんです」
と、ケロリ。
飯島家の三大好物は、野菜の素揚げ、鶏のから揚げ、ココナッツシュリンプ揚げ!
寛子さんのキッチンにお邪魔して、子どもたちが大好きな、おふくろの味を作ってもらうことに。 「野菜の素揚げと鶏のから揚げ、それにココナッツシュリンプ揚げを作ります」
ほんとに揚げ揚げオンパレード。ただし、油の質が健康を左右するからと、飯島家では精製したココナッツオイルを使っている。ココナッツオイルなら、加熱しても酸化しにくいし、体脂肪も燃えやすい。
まず、野菜の素揚げ。ズッキーニやかぼちゃ、人参や山芋などを1cm前後の厚さに切って、170度くらいに熱したココナッツオイルで素揚げして、大根おろしとポン酢で食べる。「大皿いっぱい作ってもあっという間になくなります。子どもたちは醤油味の煮ものより、こっちのほうがだんぜん好き。野菜の持ち味も生かせると思います」
鶏のから揚げは、にんにく醤油で下味をつけ、もち粉のかわりにココナッツフラワーをまぶしてこんがり揚げたもの。 「ココナッツの粉はグルテンを含まないのでヘルシーで、もち粉で揚げたのと同じようにカリッと揚がって香ばしい」
粉をたっぷりめにつけるのがコツ。
「ココナッツシュリンプは私のシグネチャー。レストランのププなどにもよくあって、いつも毎回注文してしまって。ある時、そんなに好きなら自分で作ってみようと思い、ココナッツフレークを買ってきて、パン粉の代わりの衣としてつけて揚げたら大成功。勝った、って思っちゃった(笑)」
粉、卵液、ココナッツフレークの3手順でつけるのではなく、粉と水少々で溶いた卵をあらかじめドロッと混ぜ合わせて、それをつけてからココナッツフレークの衣をきせたほうがうまくゆく。
で、この日の寛子さんは、三種の揚げ揚げにとどまらず、ココナッツカレーと手作りナン、アボカドディップやビーツやセロリの和え物などなど、テーブルいっぱいの料理を一人で作りあげた。「食べざかりが4人揃うといつもこう」
そんな取材撮影の真っ最中、三男の友達が遊びに来て、サンドイッチが食べたいとオーダーが入り、長女は卵入りのラーメンを作ってと別注文。それを当り前のようにてきぱきと機敏な動作でこなす、寛子さんのお母さんっぷりと運動量たるや! 休むひまのない母業をしっかりやってると、 太るひまもないのが実情なのかも。敬具
(日刊サン 2015. 5. 5)
奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター 『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII 住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。 |