@PIXTA
ハワイで従業員の確保に苦労しているレンタカーサービスのハーツ社は、8カ月以上勤続する新規雇用者に対し6000ドルのボーナスを与える待遇を用意し、州で最大の人材派遣会社ALTRES社は、現在100以上の求人があると話す。ハワイの失業率は8月に0.1ポイント低下し2.6%となり、ここ十数年の間で最低の数値を記録。いまや良い人材を確保するのは至難の業だ。
産業経済開発観光局の経済専門家チーフを務めるユージーン・ティアン氏は「失業率の低下は当然の結果です。経済の好調さを示しています」と語る。ここまでの失業率の低さを記録したのは2007年4月以来。今年の初めは2.7~2.8%の間を行き来していた。産業経済開発観光局は8月に、経済成長のペースは予測よりも遅くなりこのペースが2020年まで続くと予想。ティアン氏は14日、この予想に変更はないとし「今年の年末前にはまた失業率が上昇すると予想しています」と述べた。
全米で7月に最も失業率が低かったのはノースダコタ州の2.2%で、コロラド州が2.4%。この調子が続けば8月時に2.6%を記録したハワイは全米で3番目に低い失業率となると見られる。
ハーツの地域求人担当を務めるクリスティーン・ボー氏は、雇用確保のためのボーナスが18カ月程前に2000ドルから4000ドルに増加し、今年の5月からは新規雇用者が8カ月勤続すれば6000ドルを支給すると話す。「4年前には求人応募者が多く、ベストの人選を行えました。今では応募者を集めるだけで精一杯です。雇用の確保のためには即効性のある戦略を検討する必要があります」とボー氏。
人材派遣会社のALTRES社は失業率の低い今こそ従業員の満足度を高く維持する必要があると語る。「どれだけ人材を探すのが難しいかクライアントに伝えています」と、ALTRES事務職課のマネージャーは述べた。
副業の場合も含めたハワイの農業・自営業以外の職の従事者は65万5700人で、7月の69万3250人よりも2500人減少。ティアン氏はこの結果を自営業者が増えたからだと話す。自営業者は「農業以外の職務従事者」には数えられないが、失業率を算出する際は職務従事者として加算される。
被雇用者、求職活動中の失業者、自営業者を合計した8月のハワイ全体の労働人数は、7月の69万3250人から69万400人に減少。被雇用者は67万4600人から67万2350人に減少。失業者は1万8650人から1万8050人に減少した。
8月の統計ではハワイ州内の3つの郡で失業率は前年より低下した。なお、州の雇用統計は季節的な要因が調節されるのに対し郡の統計は冬や夏のホリデー・シーズンについて考慮されていない。ハワイ郡は3.3%から2.8%、カウアイ郡は2.4%から2.3%、マウイ郡は2.7%から2.3%に低下。ホノルル郡は2.3%を維持。マウイ郡内のマウイ島は2.4%から2.3%、モロカイ島は9.2%から7.6%、ラナイ島は6.0%から3.1%に低下した。
(日刊サン 2017. 9. 23)