ハワイ州庁舎@PIXTA
官民協同で低収入層向け賃貸住宅を開発する1億ドル規模の州最大の公営住宅計画で、州機関と民間開発業者が開発途中に決裂した。
ハワイ公営住宅公社(HAPA)が7日、ニュージャージー州を本拠地とする低価格住宅開発業者ザ・マイケルズ・オーガニゼーション社との6年越しの開発協定の破棄を決定。この開発計画ではタワーズ・アット・クヒオ・パークに隣接してカリヒの低収入層向けに、約450戸の住宅の建設を予定していた。HAPA委員会は交渉が難局を迎え、契約破棄に至ったと述べ、開発業者は協定の破棄により建設費用が増加し完成が遅れるだろうと話す。
HAPA、マイケルズ社とシアトルの開発業者ヴィタス・グループはチームを組み、クヒオ・パーク・テラスとして知られていた16階建てツイン・タワーの再開発の第1期を1億3500万ドルかけ2012年に完了させた。
続いてクヒオ・ホームズと低層クヒオ・パーク・テラスと呼ばれる1~2階建て176戸の古い公営住宅ユニットを改装する第2期を計画していたが、マイケルズ社がこの計画に異議を唱えた。HAPAエグゼクティブ・ディレクターのハキム・オワンサフィ氏は、複雑な第2期の開発のためマイケルズ社との交渉会議に4年費やしたが、合意に達しなかったと述べた。HAPAは開発計画を進めるため他の民間開発業者を探す。
時間経過と共に膨らむコスト
HAPA委員会は州検事と約1時間の非公開討議を開き、公開討議の場を持たずに8対0で開発協定の破棄を決定。オワンサフィ氏は州の公営住宅計画は、合衆国住宅都市開発省から補助金を受けており、マイケルズ社との決裂の解消に時間をかける事はできなかったと話す。同氏は年内までに新しい開発業者を公募したいと加えた。マイケルズ社は、イゲ知事政権に変わりオワンサフィ氏が就任した2014年からHAPAが開発協定の内容の変更を求め始めたと話す。同社はすぐにでも第2期を始める準備が出来ていたが、HAPAの動きが鈍かったせいで時間を無駄にし、建設費用の相場も上がり30%開発コストが増加したと述べた。
第2期の草案では、452ユニットの低価格住宅と51の市場価格住宅を建設する1億5100万ドルの計画と、価格設定は未定の403ユニットを1億2100万ドルで建設する案が構想されていた。
(日刊サン 2017. 9. 16)