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商業不動産仲介業者のコリアーズ・インターナショナルは、8月後半に公表したレポートで商業不動産の今年の取引額を31億~33億ドルと見込み、昨年の41億ドルから減少すると予想。コリアーズの予想が的中すれば、今年ハワイの商業不動産への投資額は20〜25%減少し、2014年に年間投資額46億ドルを記録して以来3年連続で減少することになる。
今年は1億ドル以上の商業不動産が市場に少ない。しかし500万ドル以下の商業不動産の取引は増加。レポートでは「ハワイの商業不動産投資市場は好調が続く見込み」と評された。
今年上半期でハワイでは156件の商業不動産、合計19億ドルが取引された。2016年の同時期125件、11億ドルよりも好調。なお、昨年の下半期では30億ドルが取引されており、通常上半期の市場は消極的。取引件数に計上されるのは100万ドル以上の商業不動産で、ホテル、小売店、アパートメント、産業施設、オフィス、商用ゾーンに設定された未開発の土地が含まれる。
上半期最大の取引額はパシフィック・ビーチ・ホテルをドイツの投資会社コマーズ・リアル・AG社が購入した5億1500万ドル。次に高額な取引はアメリカの投資会社2社がウェスティン・マウイ・ホテルを購入した3億1700万ドル。上半期に売買された商業不動産のうち取引額が最も大きいのがホテル・リゾートカテゴリで、7件で10億ドル以上、次いで小売店が33件で2億6000万ドル。土地が38件で2億1200万ドル、産業施設29件で1億9200万ドル、35件のアパートメントが1億2000万ドル、オフィス14件が1億1400万ドルだった。
156件中ハワイのバイヤーが購入したのが114件で合計取引額8億5400万ドル、本土や外国のバイヤーによる購入は42件で10億5千万ドル。売買された商業不動産のうち7割は500万ドル以下で、小規模投資家の取引が上半期の結果に貢献している。156件の取引数は上半期としては、ここ10年以上の間で最多。年間最多取引件数は2005年に431件を記録している。
(日刊サン 2017. 9. 9)