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リリハ〜パラマ地区の州が所有する土地に、数百戸の低価格賃貸アパートメントを建設する開発計画は、昨年の着工予定が延期に。さらに着工まで15カ月以上かかる可能性が高くなった。州当局が23日に環境影響評価の準備通知書を発表し、ハワイ公共住宅協会(HAPA)が主導する、開発計画の練り直しが明らかになった。
通知書によるとHAPAと提携業者”リタイアメント・ハウジング“は、開発予定の住宅戸数と賃貸価格をまだ決定しておらず、開発同意書にサインをしていない状態。
「まだ開発の初期にあり、地域との連携を取っている段階です。再開発は再活性化と近代化を図る素晴らしい機会です。高齢者向け低価格賃貸住宅を増加させ、コミュニティをより強く安全にします」と、HAPAのサラ・ビーマー住宅プランナー。
遅れる原因は、許認可の手続きプロセスが多く、複雑なこと
ハワイは土地価格と建設費用の高騰のせいで低収入層の住宅が不足している。許認可のプロセスが多くて複雑なのも原因の一つだ。調査機関が2014年に発表したレポートによれば、2016年までに2万軒以上の低収入層のための住宅を、州は準備する必要があるとされていた。しかし実際に建設された数は遠く及ばない。
HAPAは2015年時点で1万2千世帯が低価格住宅を待つリストに載っているとし、5年間で1万軒の公共住宅を開発する目標を掲げる。達成のために2015年1月からHAPA本部の土地の再開発に乗り出し、リタイアメント・ハウジングをパートナーとした。開発計画では、最大1000戸の賃貸住宅と市場価格の住宅を建設。小売店や駐車場、多目的用スペースも併設させる。市の定めた高さ制限では6~7階建ての建物までとなるが、低価格住宅の開発にはこの制限は免除され、高層化も可能。 だが住宅を供給する対象が家族なのか高齢者なのかその両方かも未定のため、デザインも決まっておらず、賃貸価格も入居者の収入制限も同様に未定。
州政府、HAPA、開発業者の早急な対応が待たれる
発表されたEIS準備通知書では、供給する住宅の割り当てに3つのパターンが検討されている。家族世帯向けユニットを600戸、高齢者向け400戸か、家族向け400戸、高齢者向け600戸または、高齢者向けユニット800戸とする案。しかし、これらのパターン以外になる可能性も残されている。
「コミュニティが求め、EISに基づいて提供が可能であればどのような代替案でも歓迎です」と、ビーマー氏。最新デザインを発表するコミュニティ・ミーティングが10月18日、HAPAオフィスで予定されている。
(日刊サン 2017. 9. 2)