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長崎原爆の日にピース・ウォークを開催

Bynikkansan

8月 22, 2017

長崎の平和祈念像@PIXTA

 

今年で8回目となるピース・ウォークが9日ホノルルで開催され、1945年8月9日に日本の長崎市に投下された原爆犠牲者を追悼した。今年は北朝鮮による核攻撃の脅威も背景となり、忘れられない過去を呼び起こさせた。

参加者は1マイルを歩いた後、フランク・F・ファシ市民グラウンドのナガサキ・ピース・ベル・メモリアルで追悼。参加者からは北朝鮮がアメリカへ核攻撃を行うという発言により、歴史が繰り返される恐怖が増しているという声が聞こえた。ニューマン・センターのカソリック教会メンバーであるローズマリー・ケイシーさんは、ヌウアヌの本派本願寺ハワイ別院で初めて開催された多宗教イベントに参加。ドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の統治者キム・ジョン・ウンがお互いを挑発し危機感が高まっているとし「そのような言論戦が導いてしまう結果として彼らに長崎の惨状の写真を見せるべきです」と述べた。

ピース・ウォーク委員長で仏教の僧侶でもあるデクスター・マー氏は、数十年間続いている平和に感謝し核攻撃を2度と繰り返してはならないと提唱するため、ホノルル・クエイカーズとニューマン・センター・カソリックスと別院がイベントを協賛したと語る。同氏は「世界終末時計は終末まであと2分30秒を示しており、現状の危機に時計の針はより進んでいます。ここ10年間でもっとも終末に近づいているのです」と、「原子科学者会報」がウェブサイトthebulletin.org/timelineに掲載している象徴的な時計について触れた。この時計は深夜0時を核戦争等による地球規模の壊滅が起きる時とし、仮想的に残り時間を示すもので2017年1月からは0時まであと3分と表されていた。「深刻に受け止めなければなりません。北朝鮮からの攻撃が頭上を通過するとすれば極めて不快です。今まではイラン、パキスタン、ヨーロッパで起きていた問題でしたが、ハワイやグアムが標的になる可能性があるのです」と、マー氏。

ハワイで長崎県人会会長を務めるモトノブ・シイバ氏は、5歳の時に原爆投下を経験。シイバ氏の団体は日本の長崎市から贈られたナガサキ・ベルを42年間8月9日に鳴らし続けている。今年初めてピース・ウォークとベルの鳴鐘を同時開催した。シイバ氏は沢山の日本人が北朝鮮の脅威に不安を抱き恐れていると述べ「今こそ人々が団結し平和の重要性を語らなければなりません」と加えた。