©️日刊サンハワイ
マルコ・ポーロ・コンドミニアムで14日に火災が発生し、火災対応に消防隊5ユニット以上が出動する大規模火災となった。女性2人と男性1人の3人の死亡と、少なくとも17人の負傷者が報告されている。
36階建てビルの高層階で出火した火は12室以上に広がり、空に黒い煙が立ち上った。亡くなったのはジョアン・M・クワタさん71歳と、男性のブリット・レラーさん54歳と母親のメルバ・ディレイさん85歳であることが判明。3人とも26階の入居者だった。
午後2時30分ごろ通報を受けた火災は、近年では最大規模の100人以上の消防士が消火活動にあたり、消火の見込みが立ったのが午後7時。実際に消火活動が完了したのは深夜だった。消防士を含む5名が重症の恐れがあり病院へ搬送。救命士も現場で、煙を吸入したと見られる入居者の手当にあたった。
出火中に自室から避難できなくなる人もおり、消防隊の特別チームは各部屋を回り入居者の避難を誘導した。「複数の入居者が火と煙に囲まれて避難できなくなりました。数十名が階段へ誘導されビルから脱出しました。多くの人は、救助が来るまでシェルターに避難するよう指示されました」と、消防署長のデビット・ジェンキンス氏は述べた。
アメリカ赤十字ホノルル支部が避難シェルターをイオラニ校に準備し、約50人が一夜を明かした。
火は瞬く間に広がり、焼け落ちた瓦礫が地上や低層階に降り注ぎそこから二次火災へと繋がった。カピオラニ・ブルバードのエリアは一晩閉鎖。入居者は15日の早朝に自宅へ戻ることができたが、26~28階の部屋はダメージが大きく立ち入りが禁止された。
消防局のネヴェス氏はマルコ・ポーロにスプリンクラーが設置されていなかったと発表。「スプリンクラーがこのアパートメントに設置されていれば、出火した部屋から火は広がらなかったでしょう」と、同氏。
カーク・コールドウェル市長は14日夜に現場に訪れた。「被害を受けた皆さんとご家族のことを思っています」と述べ、スプリンクラーの重要性に触れた。マルコ・ポーロはオアフ島の高層ビルにスプリンクラーの設置が義務付けられる前に建てられた。波の様な特徴的な形状で有名なこのコンドミニアムは1971年に建設され568室を有する。
出火原因は現在も調査中で、被害額の見込みも未だ算定中。当局は12室の被害は甚大であると話す。赤十字は、イオラニ校の避難所には避難者110名の登録がありコンドミニアムが安全になったらボランティアが調査に入り、支援が必要な住民のために被害状況を割り出すと述べた。
(日刊サン 2017.7.12〜18 週間ニュースダイジェスト)