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常夏のハワイですが、それでも夏場は特に暑いですね。壁や窓などは、きちんと遮光・断熱をして開口を大きくとり、風が流れるようにデザインすればエアコンがなくても快適に過ごすことは可能ですが、それが難しい場合にはエアコンに頼ることになります。  

エアコンにも色々な種類があるので、ご紹介しましょう。

 

ポータブルエアコン  

WalmartやCostcoでも普通に売られており、工事や建築許可もいらず、最も簡単に設置ができます。コンセントに繋いで、窓に排気用のダクトを設置するだけで利用できます。通常の窓は四角形でダクトは円形のため、隙間を埋める作業が必要になりますが、お父さんの日曜大工程度でなんとでもなる範囲内です。  

温度を下げるとその分飽和蒸気圧が下がるため水が出てきます。この水を排水するのは結構面倒なため、機器内で処理してくれるものを選択することをお勧めします。

 

ウィンドーユニット  

ハワイのアパートや住宅でよく見られる、窓枠にはめ込まれたエアコンです。ポータブル同様、発熱源と冷却システム等すべてが一体化しているため工事は容易ですが、エネルギー効率が悪く、騒音も酷いです。また、窓枠との間に隙間ができると効率が非常に下がるので、きちんと設置できる人にお願いしましょう。  

さらに、外側には水が垂れてくるので、コンドミニアムに設置の場合には周囲の迷惑にならないよう対処が必要です。

 

スプリットシステム  

日本の住宅で最もよく利用されているタイプのものです。室外機と室内機に分かれており、室外機で水を冷却し、その冷水を引き込んで室内の空気を冷やすシステムです。発熱源は室外に設置することになるため、エネルギー効率がとても良いです。  

設置難易度は上記2つに比べると高度で、本体価格も高値になりますが、長期的な電気代を考慮すると安価で済むケースが多いです。

 

セントラルエアー  

主に商業施設や大型住宅で用いられるシステムで、機械室で冷やした空気を各部屋に送ります。スプリットシステムのように水を送るわけではなく、空気をそのまま送るため、かなり大きなダクトが必要です。機械室も同様に、大規模になり、個々に機械設計も必要とするため初期費用は膨大ですが、ランニングコストを抑えたり、建物全体を一元管理ができる利点があります。

 

(日刊サン 2017/7/16)

 

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

Email: [email protected]

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。