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日刊サン 7月1日撮影

 

通常は静かなカウアイ島で出産を迎えるモンクシールが、ワイキキのニューオータニ・カイマナ・ビーチ・ホテル近くのビーチで出産し、観光客は予想外の光景に喜んだ。

プライバシーを与え気が立っている母親を刺激しないよう、出産するモンクシールから50フィートの距離に立ち入り禁止ロープが引かれた。

母親のモンクシールはRH58、通称ロッキーと呼ばれるモンクシールで、28日夜から29日朝にかけてカイマナ・ビーチで出産を迎えた。

アメリカ海洋大気庁太平洋諸島事務所でハワイアン・モンクシールの保護コーディネーターを務めるアンジェラ・アムリン氏は、ワイキキでモンクシールが出産した場合、周囲の見学者がトラブルに見舞われる可能性があると話す。

「出産期前後の母親は非常に警戒心が強いのです」と、アムリン氏。子育て中のモンクシールが人間を襲う例はよく知られている。カウアイ島でもシュノーケリング中の男性を海へ追いかけ襲う事件があった。カイマナ・ビーチでは29日にロッキーと赤ちゃんの近くまで飛んできたビニール袋に向かってロッキーが吠える姿が目撃されている。

ビーチでの子育ては約40日間続き、その後幼いモンクシールは自分で長旅ができるようになるまで数週間は同エリアに留まるという。

 

日刊サン 7月1日撮影

 

周囲の見学者は「絶滅に瀕した種の出産シーンが見られて素晴らしい」、「何度もハワイに来ているがモンクシールを初めて見た」と話していた。

アムリン氏は、今後母親モンクシールが不快な様子を見せたり吠え始めた場合には、見物者との距離を遠ざける可能性があると話している。

また、遊泳中やシュノーケリング中に母親のモンクシールが海に入って来た場合には、警戒し十分な距離を開けるよう警告している。

ハワイの州法ではモンクシールを傷つけた場合、海洋哺乳類や絶滅危惧種保護のための連邦法より重い最大5万ドルの罰金と5年間の懲役を科している。さらに州法下では絶滅危惧種の生物をいじめたり傷つけたり殺した場合は重罪扱いとなる。

ロッキーは2000年生まれで2002年からワイキキエリアに姿を見せるようになった。これまでにカウアイ島で9頭を出産しており子供達のほとんどが野生で生き残っている。ロッキーは非常に健康な子供を産む、素晴らしい母親だとアムリン氏は述べた。