ホクレアの最新クルーらは、ハワイの航海カヌー40年の歴史上初めてのオールトラリアへの航海中、無事に到着するために、高波や強風、帆布をはぎ取るような大波と格闘してきた。ホクレアは、タスマン海を初めて横断した後、5月10日の日曜、シドニー北数百マイルのコフスハーバーで陸地を確認した。ダブルフルのホクレアが、太平洋を越えて約1,400マイルの航海を成し遂げたのも初めてである。ホクレアは伴走船「ガーションⅡ」を伴っていた。
現代版ハワイ式航海カヌーのホクレアは、「マラマ・ホヌア(地球をケアする)」と銘打たれた3年間の世界航海の途中である。「何度か荒天にみまわれ、空が雲に覆われてしまうことも多かったです」11日月曜日、ナビゲーターのカレオ・ウォンさんは、温暖でからっとした晴天に恵まれたコフスハーバーからの電話で語った。ウォンさんは、ニュージーランドの北島からオーストラリアの東部海岸までの航海のナビゲーションを成功に導いた。この航程は、このような偉業をたった一人で成し遂げるという、ウォンさんにとって初めての記念すべき航海となった。昨年、ウォンさんはカイウラニ・マーフィーさんと共同で、ホクレアをサモアからニュージーランドまでナビゲートした。
最新の12日間の航程でも、空が雲に覆われてしまった日々と格闘しなければならなかったとウォンさん。カヌーの場所を正しく判断するために、注意深く観察しなければならない星が、雲によって遮られてしまったのである。その時は、自分の直感に頼ることを学ばなければならなかったとウォンさんは語った。「波のうねりを感じることができれば、風が正しい方角を教えてくれるのです」
ホクレアの世界航海を運営している、オアフ拠点のポリネシアン・ボヤージング・ソサエティのリーダーたちは、ウォンさんも含めた新しい世代のナビゲーターのトレーニングとして「マラマ・ホヌア」を利用することを目的としている。ウォンさんの指導者であるマスターナビゲーターのブルース・ブランケンフェルドさんは、オーストラリアまでの航海で船長を務めた。
「星について学び、空を横切る星の動きについて学ぶために多くの時間を費やしてきても、雲に空が覆われる天候に見舞われた場合、感覚と直感に従うしかありません」とウォンさん。
航海中、クルーは、最大20から25フィートの荒波にも襲われたという。高波によって、ホクレアの「スターボード」のサイドフレームが破損し、カヌーのキャンバスカバーの外側がはぎ取られた。何人かのクルーは水浸しになり、船体の上部で休息を取った。(クルー用のコンパートメントは船底にある)カヌーの帆布は前回の航海で破れていた。しかし、それは前例のない事態ではないとウォンさんは付け加えた。
馴染みのない海にも関わらず、ウォンさんは自分の先祖たち(クプナ)の存在をカヌーで感じることができたと話している。特に、雨を伴う強風が突然消え、船の目前にロード・ハウ・アイランドが現れた時、クプナの存在を感じたという。この島は、オーストラリア大陸から数百マイル東部にある。
「まだ学ばなければならないことがたくさんあります。どんなに経験を積んでも、おそらく、いつでもそう思うことでしょう」と、ウォンさんは月曜日に語っている。
ホクレアのクルーは、南下してシドニーに寄港してからブリスベンに向かうため、適切な天候を待っている。ホクレアは、今年後半、天候の変わりやすいインド洋での航海を予定している。