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フラのハラウがワイキキビーチで季節の移り変わりの儀式を開催

Bynikkansan

5月 9, 2015

クム・フラ、カフ・サム・オフ・ゴン3世が主催するフラ・ハラウ「ハラウ・メレ」は、10年以上に亘り、雨季と乾季の移り変わる時期にワイキキ水族館のすぐ東側、古代のヘイアウ(Kupalaha)がある場所に集まり、セレモニーを行ってきた。

 

ゴン氏は、時計をしていない。肩ごしに沈みゆく太陽を見て必要なことを確認し、「まだ時間がある」と伝える。この日、雨季と乾季の変わり目を祝うため、同地には50人を越える人々が集まった。

 

かつてのハワイでは、雨季(Hooilo )は豊穣の神「ロノ」が支配する時期であり、乾季の(Kauwela)は戦いの神「クー」が支配する時期であるとされていた。雨季と乾季の変わり目は、聖なる身体とハワイの景色が、絵のように美しく移り変わる時期。クパハラ・ヘイアウから見ると、5月2日(閏年は5月1日)は、太陽がワイアナエ山脈に沿って、平らな噴石丘「プウ・オ・カポレイ」の真上に沈む日である。

 

「もう一度やってみましょう」ゴン氏が合図を送ると、ハラウのメンバーはチャントを唱える。「太陽が沈んでいく」という呼びかけに、集まった人々は「沈んでいく! 沈んでいく!」と応える。次に、「暗闇が近づいてくる」と呼びかけ、「近づいてくる! 近づいてくる!」と人々は応えた。

 

「ハワイの文化は、すべてタイミングに基づいています。植物に適したとき、儀式に適したとき、ヘイアウを作るのに適したとき。そして、今日はこの(儀式に適した)ときなのです」とゴン氏。

 

太陽が、水平線に沿った山の微かな紫色の稜線にゆっくりと沈んでいくのに合わせて、ゴン氏は集まった人たちにチャントの最後のリハーサルを指導した。

 

「下に沈んでゆく」「レフアの下に」「水平線の上」「眠るため! 眠るため!」

 

アリゾナ州からよくハワイを訪れるクラウディア・インチさん(65)は、チャントを唱える群衆の真ん中に立っていた。第二の故郷であるハワイで、歴史と伝承に浸る機会を得ることができ、インチさんは深く感動していた。

 

「伝統というのは驚くべきものです」視線を海に向けたままインチさんはそう語る。

 

太陽がプウ・オ・カポレイの山頂に到達し、ハラウ・メレのメンバーは集まった人々を波打ち際まで連れて行き、再び真剣にチャントを唱えた。

 

「自分のまわりを注意深く見渡せば、時間や季節を知るために時計は必要ないのです」とゴン氏。「それがハワイアンなのです。ハワイアンの生活は、観察の延長なのです」