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伝統と熱気に迎えられ ホクレア号凱旋

Bynikkansan

6月 27, 2017

3年間の世界周航を終えたホクレア号を迎える式典が17日、マジック・アイランドで開催され数万人が集まった。ハワイの『州宝』として公式に認定された二重船側構造のカヌーはチャントや声援で迎えられた。 環境保全と母なる地球への愛というメッセージを分かち合う事を最終目的に掲げた世界就航を終え、ホクレア号がアラ・ワイ・ボート・ハーバーに姿を見せたのが午前9時45分。式典の後にはカーク・コルドウェル市長が航海士長ナイノア・トンプソン氏にホノルル市長名誉賞のキーを授与し、参加者にホクレア号の旅を教訓として胸に刻んでほしいと語った。トンプソン氏は「沢山の人を代表して今この場に立っています。ハワイに、この瞬間に、感謝しています。ホクレア号が帰って来たことを今ここに謹んで宣言します」と感極まった様子で述べた。航海士として乗り込んだ息子を迎えるため式典に訪れたバート・ウォンさんは「ここにいるだけでマナを感じます。喜びのような感情で涙があふれます」と話していた。 当日は日の出前からアラモアナ・ビーチパークに人が集まり、ホクレア号が到着する3時間以上前の午前6時から歓迎式典が始まり、椅子やブランケットが海岸沿いに並んだ。カウアイ市長のバーナード・カウヴァーリョ氏は「私達の祖先を敬う特別な日です。乗組員は世界中を巡って来ました。私達はホクレア号を通して世界に愛を広げます」と述べた。式典を終えたカヌーは20日までハワイ・コンベンション・センターのアラ・ワイ・プロムナードに停泊し、見学者を受け入れるツアーを開催。実際にカヌーに乗り込んだ見学者達は「鳥肌が立ちます」、「自分が歴史の一部になったような気分です」と話していた。 1976年タヒチへ向かうホクレア号の処女航海に乗務したビリー・リチャーズ船長が見学者を迎えた。「ほとんどの人が3つの事を質問します。食事する場所、寝る場所、トイレはどこ?」と船長。 ホクレア号のマジックアイランドからコンベンションセンターまでの移動は簡単ではなかった。アラ・ワイ・カナルにかかる低い橋の下を通るため干潮を迎える18日午前4時を待たなければならなかった。トンプソン航海士長は31フィートの高さの帆を取り外し80人近くがカヌーに乗り込む必要があったと話す。「ホクレア号を1インチ沈めるには2000ポンドの加重が必要です。5インチ沈める必要があり1万ポンドの積載を要しました。ホクレア号がこんな重さを載せるのは初めてで、可能かどうかは確かでありませんでした。しかし2000人の子供達をコンベンションセンターで迎えるために挑戦しました」とトンプソン氏。 コンベンションセンターでは3日間のマラマ・ホヌア(地球を大事にする)フェアーが開催され多くの入場者が訪れた。