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HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.60 コラム@ココナッツラバー

白崎裕子さんのレシピの水キムチの素

 

 

ハワイのことを常夏の島と形容されると、そうでもないよと反論したくなる。冬はそれなりに寒いし、花咲く春も短いながらちゃんとある。で今、6月頃からが夏本番だ。

ところで飲む点滴と絶賛されて大人気の甘酒って、もともとは暑気払いの夏バテ回復の飲み物だって知っていましたか? 俳句の世界でも甘酒は夏の季語なんだそう。

 

ハワイの友人たちは、 炊飯器で甘酒を上手に作る。

甘酒ブームの今、日本で甘酒はコンビニでも自販機でも買えるほどポピュラーになった。でもハワイではなかなか手に入らない。だけど私のハワイの友人たちはあきらめず、売ってないなら作ればいいとポジティブだ。あちこちの家庭で、炊飯器で甘酒を醸している。

作り方は炊いたご飯に米麹を混ぜ、その1.5倍くらいのお湯を注ぎ、炊飯器で60度くらいに保って一夜(8時間)ほど発酵させるのだ。キモは炊飯器の保温スイッチを入れたり切ったりしながら60度を保つこと。70度以上になると酸味が出るし、50度台だと麹が固いままになりがちなんだという。できたてをご馳走になったことがあるけれど、麹が醸す香りが馥郁としていて、なんか命ある飲み物をいただいている感じだった。

 

麹菌の酵素、美肌成分、 そして最強レベルの抗酸化作用も!

甘酒の別名は一夜酒。8時間ほどぬくぬくさせておけばできるところからのニックネームなんだろう。甘酒も一夜酒も酒の字がつくが、米麹で作る甘酒には1%のアルコールも含まれていないから、赤ちゃんでも下戸の方でも飲酒OK。“一夜酒 隣の子供 来たりけり”(一茶)一茶さんの家にも、一夜酒の甘い香りを嗅ぎつけて子供が集まってきたのかな。

実際、甘酒は良いとこ尽くしの伝統食だ。①加熱していない甘酒には麹菌が作った酵素が100種類も含まれている。酵素は脂肪やデンプンを分解してくれる。②新陳代謝を高め、老化防止や免疫力の向上に役立つビタミンB群も豊富で、しかも甘酒に含まれるVBは体への吸収率が90%以上と効率が良い。③麹からしか作られないコウジ酸には、メラニンの生成を抑制して美白効果が報告され、化粧品にも応用されるほど。④筋肉や血管、脳細胞などを作る上で必要不可欠な、必須アミノ酸全9種類が全て含まれている。⑤生の甘酒にはビタミンEの7,000倍といわれる抗酸化物質エルゴチオネインが高含有されている。すっごくパワフルなのだ。

 

 

夏にお勧めの水キムチ、 野菜の栄養を甘酒でパワーアップ。

私が大好きな白崎裕子さんのレシピの水キムチの素を紹介します。

材料:甘酒大さじ10、梅酢大さじ4、塩小さじ2、ニンニクと生姜各2片千切り。

作り方:材料を混ぜてその4倍の水と合わせる。きゅうり、大根や蕪、トマト(ヘタを取り、楊枝を刺して味を滲みやすくする)、キャベツなど好みの野菜。一口大に切って水キムチ液に漬け、冷蔵庫で一晩漬ける。

野菜に旨味と①〜⑤の栄養が加わって、毎日、毎食でも食べたいおいしさ。漬け汁も飲み干したくなるほど!

 

 

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター


『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。