日刊サンWEB

過去記事サイト

かしま・はるさめホノルル寄港 練習艦隊司令官、眞鍋浩司海将補に聞く

練習艦「かしま」甲板

 

平成29年度遠洋練習航海部隊、練習艦「かしま」・護衛艦「はるさめ」の2艦が2日から6日、ホノルルに寄港した。練習艦隊を指揮する練習艦隊司令官、眞鍋浩司海将補に聞いた。

 

練習艦隊司令官 眞鍋浩司海将補

 

各艦には今春、幹部候補生学校を卒業した初級幹部約200名を含む約600名の自衛官が乗り組んでいる。 5月22日に日本を出港し164日の予定で米国、メキシコ、キューバ、エクアドル、チリ、カナダ、ロシア、韓国の8カ国、13寄港地を周る。航程は56000Kmで、 遠洋練習航海は海上での諸訓練を通じて初級幹部のシーマンシップを育成することと、国際的視野を養い、訪問国との親善を深めることを目的としている。フロリダのフォートローダーデールは初めて訪れる地で注目すべき点だ。ホノルルに到着した2日には艦上で米国軍関係者やハワイの日系人団体代表を招いての懇親会を行い、5日にはアラモアナセンターのセンターコートで音楽隊の演奏を行うなど、親善イベントも多い。ニューポートでの黒船祭りへの参加や、寄港地での親善サッカー、日本文化を紹介する意味での煎茶点前なども行う。例年3艦での航海だが、今年は多くの艦がシンガポールや国内での任務についているため、2艦での練習航海となった。ベッド数を多くするなどの工夫で乗組員数はほぼ、例年通りとなっている。

 

護衛艦「はるさめ」

 

練習艦隊司令官は、強面をイメージする役職だが、眞鍋海将補はソフトな語り口で信頼と安心を感じさせる。最も苦労していることは英語とのこと。周りじゅうが海という中を進むことについて尋ねると「ここにいるみんなもそうだと思うが、家に戻って奥様が近くにいるときのほうが、緊張するのではないかと思う」とユーモアたっぷりに答える。これが自慢なんですと見せてくれたのは、乗員のパネルで、全て子ども時代の写真が使われている。温かみある人柄は、訪れる先々での友好・親善を深めることに大きな貢献がうかがわせる。日本への帰国は11月1日を予定している。

 

(取材・文 袰岩奈々)