先週から名古屋でアダムの個展が始まりました。現地でオープニングやアーティストトークの開催があった関係で、人生ではじめて名古屋に1週間も滞在しました。
いとこの結婚式などで、今までにちらっとだけ名古屋に行ったことはあったのですが、今回は、はじめて名古屋でお仕事。新たな土地へ行くのが大好きな私は行く前から心がワクワク弾んでいました。
高松からは車で名古屋を目指しました。ニューヨーカーのアダムは運転免許自体を持っておらず、運転はもっぱら私の担当。彼は、ナビの担当。海の上にぽっかり浮かぶ島々、山々の深い緑、日本の自然を存分に堪能しながら淡路島、神戸、大阪、京都を通り抜け高松出発から4時間も経たないうちに名古屋に到着。海外に出ることが多くなるにつれ、日本の自然の素晴らしさを以前よりも、もっと深く味わうことができるようになってきたように思います。
さて、到着した名古屋の熱田区にあるギャラリーは格式高い熱田神宮から車で5分もかからない場所にありました。織田信長が桶狭間の戦いに赴く際に戦勝祈願を行なったという熱田神宮。
「まずはお参りに行こう」と律儀なアダム。鳥居をくぐる際にも深々とお辞儀をし、参道では端を通りお参りをする姿は、もぅ、まるで日本人。
今回アダムが展示をするギャラリーは150年続く紙の老舗会社の運営。古くはなんと、信長にも紙を献上していたという由緒ある会社が経営されているギャラリーでした。名古屋にご縁の無かった私たちですが、今回、企画展のお話を頂き、展示が実現しました。
名古屋には独自の文化があり、イベントをしても集客が難しいと、今まで何人もの人たちから噂を聞いたことがありました。しかし、実際個展の開催にあたり現実は違っていました。滞在中、2回のトークイベントは有り難いことに超満員。そして、何より、名古屋の人々のあたたかさに触れることが多々ありました。集まってくださったお客様たちは、熱心に質問をしてくださり、見ず知らずの私たちにお土産を持ってきてくださる方達までいらっしゃいました。
「ステレオタイプ」という先入観や思い込みを指す言葉がありますが、やっぱり人間は自分で経験したことしか結局分からない。今回は私自身の思い込みの枠も外れた部分があり、人から聞いたことを丸まる信じるのではなく、自分の目で見て聞いて、自らを以てたくさん体験して感じていくことの大切さを改めて学びました。
帰って来たばかりなのにもう、また名古屋へ行きたいな〜!
お気に入りの場所がまた、ひとつ増えました。
(日刊サン 2016/7/25)
大森 千寿 香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。 |