スパイスとは
スパイスと聞いて思い浮かべること、それは刺激的?辛い? ですよね。では、それらは何から出来ているのでしょう。何かのエキス? 人工的なもの? いえいえ、スパイスとは全て植物から採れるものなのです。実、つぼみ、種、樹皮や根から収穫し、それらを乾燥させたもの。形も様々で、ホール、棒状、パウダーなどがあります。最近では料理の用途によって使い分けが出来るように様々なスタイルで店頭に並んでいます。また、さらに使いやすいように複数のスパイスを混ぜ合わせているミックススパイスなども多く見かけるようになりました。その代表が「カレー粉」ですね。
では、知っているスパイスは何ですか? コショウ、パプリカ、チリパウダー、ターメリック……身近なものは数種類ですが、世界には50種類以上も存在し、ミックススパイスも入れたら100種類ほどあります。 スパイスの働きとして期待されるものは、香り、臭み消し、刺激、色づけ、そしてアンチエイジング。何気なく使っているスパイスがどうして体に良いのか、なぜアンチエイジングに繋がるのか、を検証していきましょう。
スパイスの働き
香りをつけ、臭みを消す
独特の香りで魚や肉の臭みを抑える効果があります。香りとは植物の持つエッセンシャルオイルという揮発性の成分で、スパイスの細胞が壊れると(コショウなどをすり潰すなど)鮮烈な香りが発生します。それにより食品の臭みを消すばかりか、アロマ効果も期待できます。香りの強いスパイスをかぐだけでリラックスしたり新陳代謝が良くなる、とも言われています。
刺激を与える
料理にアクセントを加え、味を引き締め、食欲を増進させます。辛みは唐辛子やハバネロのようなピリっとしたものから、わさびのように鼻に抜けるものとさまざまです。とくにカプサイシンを多く含む唐辛子は食べるとアドレナリンの分泌を引き起こし、脂肪の燃焼を盛んにします。代謝が活発化して体温が上昇するので、ダイエット効果も期待できます。
色を付ける
香りと共に料理に鮮やかな色を付けます。サフランやターメリック、パプリカなどが代表的で、料理を美味しそうに見せる効果があります。よくお米を炊くときに使用しますよね、実はスゴイ効果が期待できるのです。サフランを使うと出てくる黄色はクロシンという成分で記憶力増進、細くなった血管を広げる働きがある、と言われています。ターメリックはクルクミンという成分がアルツハイマーや認知症に効果的。パプリカはポリフェノール類を多く含み抗酸化作用が高いので、美肌効果アンチエイジングに期待が出来ます。
スパイス料理とは
一般的にスパイス料理と言えば、エスニックで辛い、というイメージですが、決してスパイシー(刺激的)、辛いものである必要はないのです。スパイスは上手に使えば塩分や糖分の摂り過ぎを防ぐことが出来て健康に役立ちます。料理によってはスパイス主体(カレーのような)のものもあれば、最後にパラッと振りかけるだけの使い方もあります。スパイスは、自由な組み合わせで新しい料理を作り上げることが出来る「魔法の粉」なのです。 その食材の美味しさを引き立て、最後まで飽きずに美味しく食べられるようにスパイスを上手に使いましょう。
スパイスとアンチエイジングの関係
アンチエイジングにもっとも効果があるとされるスパイスは、シナモン、ジンジャー、ガーリック、ターメリック、パプリカです。どれも手に入りやすいものですね。 もちろんそれ以外のスパイスもそれぞれの効果効能があり、料理を美味しくし、五感に刺激を与え、体を活性化させ、香りで精神を向上させてくれます。料理は苦手でも、普段飲むコーヒーや紅茶などにスパイスを加えてもいいですね。スパイスを生活に取りいれて、体の中から美しく、健康になりましょう。
スパイスの効能
その種類によって異なります。まず普段よく使うもの、代表的なものを知りましょう。
ブラックぺッパー | 酵素活性作用、発汗作用があります。また、消化機能を刺激して消化を促進する効能があるので便秘に効果的です。解毒、下痢、腹痛などの症状にもよいとされています。その他、抗菌・防腐・防虫作用も期待されています。 |
クローブ | オイゲノールという成分に抗酸化作用があり、それがアンチエイジングに効果があると言われています。また、胃腸の働きを高め、口臭予防にもなるとか。 |
鷹の爪 | ハバネロやハラペーニョなど、鷹の爪を使った辛み成分。カプサイシンは脂肪燃焼効果、発汗作用が高く、炭水化物の消化を促進します。 |
パクチー | 苦手な人も多いと思いますが、種(コリアンダーシード)は味も香りもありません。カレーに欠かせないスパイスのひとつです。パウダー状のものはから揚げや焼き魚の香りつけにも使います。普段の料理を大変身させる、意外と万能なお勧めスパイスなのです。消化促進・疲労回復・デトックスにも効果があるとされています。 |
ターメリック(ウコン) | 黄色の色素成分はクルクミンと言って肝臓を強化する働きがあることから、代表的な効能は飲みすぎ、二日酔いに効果あり。その他、活性酸素などで傷ついた細胞を修復したり、有害物質を排出するデトックス効果も認められています。 |
ジンジャー | 「台所の神の申し子」と呼ばれているジンジャーは爽やかな香りと辛みを持つスパイスです。主な成分ジンゲロールが加熱、乾燥するとジウガオールとジンゲロンという成分が発散し、体を温め、血流を改善する効果があると言われています。 |
ガーリック | あの強烈なにおいの素は、アリシンを中心とするイオウ化合物です。抗菌、殺菌力が強く、血栓を作りにくくし、活性酸素を除去する効能もあるとのこと。これはまさに体の中からアンチエイジングにはもってこい。ただし食べ過ぎると匂いで周りに迷惑をかけることになるので注意ですね。 |
シナモン | お菓子やパンなどに多く使われるシナモンは漢方にも用いられています。主な栄養成分はカリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB群やポリフェノールも含まれていますが、最大の特徴はTie2(タイツー)という成分。毛細血管の老化を防ぎ、丈夫にする働きがあります。毛細血管と言えば、集中しているのが目の周りですね。そう、シナモンを食べれば目の周りにできやすいシワや目の下のくまの予防や改善に期待できるとのこと。また、頭皮にも毛細血管が集中しているので抜け毛や育毛にも良い、と言われています。これは朗報ですね! |
パプリカ | 赤いパウダーなので一見辛そうですが、どちらかというと甘味のあるクセのないスパイスです。その特徴を生かし、ごはんの色付けやソースなどに多く使用されています。赤い色素にカプサンシンが含まれ、善玉コレステロールを増やし、血液の流れを良くする、抗酸化力が強いので、アンチエイジングにピッタリです。 |
スパイス料理
お肉を使わない中東生まれのスパイスコロッケです。
〜 ファラフェル 〜
<材料 2人分>
・ひよこ豆(茹で) 240g
・玉ねぎ(みじん切り) 1/4個
・にんにく(みじん切り) 2カケ
・パセリ(みじん切り) 大さじ1
・コリアンダー(みじん切り) 大さじ1
・クミンシード 小さじ1/2
・コリアンダーシード 小さじ1/2
・塩 小さじ1
・ブラックペッパー 小さじ1/2
・塩 小さじ1
・小麦粉 大さじ2
・溶き卵 1/2個分
【ヨーグルトソース】
・水きりヨーグルト 200g
・練りゴマ 大さじ2
・レモン汁 大さじ1
・塩、コショウ 少々
<作り方>
①ヨーグルトソース以外の、全ての材料をフードプロセッサーにかけペースト状にする。
②20等分にし、丸めてから一旦冷凍する。
③冷凍のまま180度の油で揚げる。 ④ヨーグルトソースの材料をよく混ぜて添える。
藤沢セリカ ハワイ・アイランド料理研究家。アンチエイジングアドバイザー。ハーブコーディネイター。 料理研究家の母から料理を学ぶ。ハワイ滞在と子育てをきっかけに料理研究家へ。その後さまざまな国へ渡り、現地のレストランなどで修業し、多国籍料理への造詣を深める。多国籍料理ベースのオリジナリティある家庭料理をTV、雑誌、書籍などで発表し、好評を得る。著書に「おうちでハワイアンごはん60」(宝島社)、「Theハワイアンパンケーキレシピ」(河出書房新社)、共同監修書に「ハーブとスパイスの図鑑」、料理担当書に「ワインの図鑑」(マイナビ)などがある。 「ケトジェニックダイエットレシピ」(河出書房新社) 「ボケを遠ざけるココナッツオイルレシピ」(河出書房新社) 「ココナッツ君の出番です!」(スターダスト出版) オフィシャルホームページ「アロハデリ」 http://www.aloha-deli.com |