テムズ川を眺めながら、 これまでのイギリスのイメージを覆すモダンブリティッシュ料理を
【KITCHEN AND BAR Level 6 Boiler House, Tate Modern, Bankside, London, SE1 9TG】
●ロコ注目のエリア、サウスバンク地区
澄み切った大きな大きな窓から、テムズ川とその向こうに広がるセント・ポール大聖堂、そしてロンドンの金融街シティ。そんなステキな景色に囲まれたテート・モダン美術館内の『キッチン・アンド・バー(Kitchen and Bar)』では、ヨーロッパの代表的な料理に加えて、長い間、世界各地から訪れる観光客に期待されることがなかった悪名高き「イギリス料理」を、モダンに、スタイリッシュに、そしてもちろんおいしく味わえます。
このレストランが入るテート・モダンは、元々戦災復興の際にロンドンの電力需要増加に伴い建てられた発電所で、その勤めを終えた1981年に閉鎖。その後2000年のミレニアムを記念して近現代美術館に生まれ変わり、現在では開発が進むロンドン・サウスバンク地区の中心的存在となっています。
●モダンなフィッシュ・アンド・チップス
モダンなコンクリート作りの建物に入り、エレベーターを降りるとすぐに長いカウンターのバーがあり、正面にテムズ川を見下ろすすばらしい眺めがお出迎え。カウンターから眺めを楽しみながら喉を潤すのも悪くありませんが、少し奥に入ったレストランに行くと、“モダン・ブリティッシュ料理”を楽しむことができます。
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その代表料理、フィッシュ・アンド・チップスは、日本人の味覚を間違いなく魅了するカラっと上がったサクサクの白身魚のフライ、こちらではチップスと呼ばれるフライドポテト、エンドウ豆のマッシュ、タルタルソースが美しく盛り付けられています。
ロンドンの中心地のパブなどにある伝統的なフィッシュ・アンド・チップスは、量で勝負の感がありますが、ここは間違いなくクオリティで勝負しています。
また多くのイギリス産ビールがリストアップされており、食事メニューとのペアリングの紹介もしています。
古くて新しいものが混在するロンドンの中でも、このサウスバンク地区周辺は川沿いの旧倉庫だったレンガ造りの古い建物をマンションにして、近年若いオシャレ層に特に注目されるようになりました。周辺には、小さなショップやウイリアム・シェークスピアの野外劇場、散策路、オドロオドロシイ牢屋博物館、今やロンドンの食の中心ともいえるバラー・マーケットへも徒歩10分ほど。
ほとんどの建物が「いかにもロンドン」を連想する年季の入ったビルで、対岸にはロンドンを象徴する美しい風景が並ぶ、散歩をするには絶好の地域です。
料理だけでなく、アートやモダンな街並みを一度に味わえるこのレストランは、訪れた人を十分に魅力するお店と言えるでしょう。
ライタープロフィール ロンドンの旅行代理店勤務中に常に現地の最新情報に触れ、日本から来英するみなさんのお口に合う新しいロンドンの食を日々追及しています。2012年のオリンピックを境に激変したこの地のグルメ事情をリポートします。 |