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数週間に渡り、住宅を建設する際に、セットバックや高さ制限があるということをご紹介してきました。今回はその他に建蔽率(けんぺいりつ)、容積率というものについてご紹介致します。

 

住宅地では最大50%まで建設可能  

建蔽率とは、所有している土地に対して建設可能な面積の割合のことです。住宅地では敷地の総面積に対して50%まで住宅を建設することが許されています。残りの50%は庭として保持することで建物が密集し、息苦しい住宅街になることを防いでいます。この割合についてはゾーニングによって定められており、郊外や都心部においては異なりますので注意が必要です。

 

建設物と認識されるものとは  

住宅の場合、壁に囲われている範囲は当然建設物として計算されます。柱だけで支えられているカーポート等も同様です。屋根については軒先30インチまで免除されます。ハワイで最も一般的な軒先の長さは30インチのため、特別に大きな屋根にしない限り、屋根は除外されるという認識で問題ありません。その他、フェンスや擁壁(retaining wall)、ドライブウェイ、屋根のないコンクリートデッキ等も建設物として計算されません。また、2階部分だけ突き出していて、地面部分は庭となっていたとしてもその範囲は建設物として認識されてしまいます。  

通常の一軒家を建てる上ではあまりこの制限がシビアに関係する場面は多くありませんが、投資物件で土地面積をフル活用する場合や、土地がとても狭い場合、また1つの敷地に2軒以上の住宅を計画する際には細心の注意が必要になります。

 

容積率は気にしなくても良い  

日本では、建蔽率と対になって容積率も重要視されます。容積率とは、敷地に対して、どれだけの延床面積の建物が建てられるかを示すもので、建蔽率同様、各ゾーニングごとに制限が定められています。ハワイの住宅地においては、容積率の制限は特にありませんが、延床面積の大きさによって必要な駐車場の数が変わってきます。例えば延べ床面積が2,500sf未満の建物については、駐車スペースが最低1つ必要となり、それを超えると2つ以上なければなりません。3,500sf以上の場合には3つ以上と、大きさに準じて増えていきます。  

ただし、序盤にもお話しましたが、これらはゾーニングごとに定められており、郊外や都心部においては異なりますので、詳しいことはお気軽に直接ご相談下さい。

 

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。