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希望より少し小さめの家を購入された場合や、家族の人数が増えた場合等、家の面積を大きくしたいというケースはあるかと思います。今回はそのような場合における住宅(一戸建て)の増築についてご紹介します。

 

住宅の建ぺい率・総面積に注意  

所有している土地だからといって何をしても良いわけではありません。東京の住居のように敷地いっぱいまで建設することはハワイの住宅街では禁じられています。敷地境界線から5 feet(約1.5m)もしくは10 feet(約3m)の部分に建設することはできません。容積率も50%と定められており、敷地面積に対して最大半分までのみ住宅を建てることができます。  

また、総面積に応じて必要な駐車スペースの数が定まっています。2,500sqft(232㎡)以上の場合には最低2つ、3,500 sqft(325㎡)以上の場合には3つと、面積が大きくなるに準じて必要数が増加します。駐車スペースが限られている場合には、増築できる面積に制限がかかってしまうので注意が必要です。ちなみに、駐車スペースとは屋根がある駐車場やカーポートに限らず、ドライブウェイも駐車スペースとして数えることができるので、4台程度であればあまり問題になるケースはありません。

 

二世帯住宅は注意が必要  

二世帯住宅及び一部を貸して収入を得ようとする場合には注意が必要です。ランドリー(洗濯室)や台所は住宅に一つしかおくことができませんし、家を二つに分割し、内部で直接行き来ができないようにすることは禁じられています。  

ただ、敷地の面積、ゾーニング(用途区分)によっては二世帯住宅を可能にするような制度(Ohana Unit)が適用される場合や、住宅の一部を賃貸できる新しい制度であるAccessory Dwelling Unit (ADU)といったものが利用できることもあります。  

どの敷地でもというわけではありませんが、これらが適用できれば何ら問題なく建設することが可能となりますので、増築及び二世帯住宅をお考えの方は建築士にご相談されることをおすすめします。

 

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。