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今回は主要な床の仕上げについて紹介したいと思います。床材は毎日触れるので足触りの感触はもちろんのこと、見た目やメンテナンスのしやすさ、価格、耐久性のどれも大切です。

 

ハードウッド  

本物の木のフローリングです。きちんとメンテナンスをしていれば100年以上ももちます。また、汚れたり、傷がついたりしても、上層部を削りまた美しい表面を取り戻すことができます。コストはかなり高い部類に入りますが、感触や見た目共に万人に好かれる仕上げだと言えるでしょう。

 

セラミックタイル  

丈夫で掃除もしやすいのがセラミックです。もし、欠けたり割れたりしてしまったとしても、部分的に交換もできます。ただ、とても硬いので素足で長時間立っていると足が痛くなりますし、また見た目も冷たい印象を与えるので、リビング等にはあまり向いていないかもしれませんね。

 

カーペット  

ハワイにお住まいの方は最もなじみ深いかもしれません。
暖かみのある雰囲気が利点ですが、他の床材に比べて汚れやすく、一旦汚れるとキレイにするのが困難です。ただ、意外と知られていないのですが、カーペットは断熱材の役割を果たす上に、吸音材にもなります。あまり声が反響してほしくないところに敷くと良いでしょう。さらにチリやホコリを吸着するので、他の床材に比べ空気がキレイになります。

 

ビニール(Vinyl)  

最も施工がしやすく、かつ安価な床材です。こちらもハワイで使われることが非常に多いと思います。とても丈夫で掃除もしやすく、耐水性もあります。また、様々な色やデザインがあり、ハードウッドそっくりなものや、タイルのようになっているものもあります。ただ、唯一の欠点は接着剤等に揮発性有機化合物(VOC)が含まれていることがあったり、製造過程や廃棄後の処理が環境によくありません。  

 

以上の他に石や竹等、様々な床材があります。また、ハードウッドと一言で言いましても、純粋な木から出来ているものや、Engineered Woodと呼ばれる複数の木の層を重ねて作っているもの、Floating Woodと呼ばれる木のような材質をしているものの全く異なる材料でつくっているもの等、多種に及びます。とても大事な部分ですので、選ぶ際には色はもちろんのこと、感触も含めて実物を一度見てお選びになることをお勧めします。

 

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。