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身代金を要求する新手の詐欺事件がマウイ島で報告されている。トラブルにあった友人や家族を救う為に、複数の住民が数千ドルを騙し取られるところだった。報告されている最新の手口では、救命士を名乗る人物ともう1人の男性から「あなたの家族が起こした事故で息子が大怪我を負った」と伝える電話が掛かって来るという。
詐欺に遭遇したハイク住民は「救急車の運転手だと名乗る男から電話が掛かって来たのです。迫真に迫っていて本物に聞こえました。彼は、私の義理の兄弟がある男性と事故を起こし、相手の男性の父親が現場にいると言いました」と、語った。その後男性の父親を名乗る男が電話口に出て「3,000ドルを持って来るまで、お前の義理の兄弟を拘束する」と、ハイク住民に伝えたという。男性の父親は、息子に逮捕状が出ているため警察には通報したくないと主張した。ハイク住民は、詐欺だと気付くまで2時間近く詐欺犯達と電話のやり取りをし、何とかお金を工面しようとしていた。「国税庁などの職員を装う従来の電話詐欺やインターネット詐欺とは異なります。金銭を用意しなければ愛する家族が傷つけられると、身近な恐怖を抱かせる詐欺です。感情を利用しようとしているのです」と、ハイク住民は話す。
この事件が起きた日の早朝には、マウイに住む夫婦が全く同じ電話番号(304) 932-5700から同様の連絡を受けている。こちらのケースでは、4,500ドルが要求された。被害にあった夫婦の妻は「電話に出ると男が救命士だと名乗り、救命士登録番号まで伝えてきました。ある事故が起こったので私に娘がいるか確認したいと言うのです」と話す。夫は詐欺犯との通話の一部を録音していた。記録された音声では詐欺犯が「娘を救う気はあるのか。言う通りにしないなら娘とはもう会えないぞ。娘を助けるために俺の息子への賠償金をいくら払えるんだ」と話していた。通話は12分程続いたが、最終的に娘と連絡が取れたため、要求された金額を支払わずに済んだ。詐欺に遭遇した2家族とも、マウイ警察に事件を報告した。マウイ警察は、電話で金銭を要求してきたら相手が誰でも要注意だと話す。絶対に電話越しに個人情報や財政状況を伝えてはならないし、もしも救名士を名乗られたら警察に連絡をして真偽を確認して欲しいと加えた。