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あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。  

新年一本目のお題は天井についてです。空間の質を決定づける大きな要素の一つです。基本的に、天井は人が触れることがなく強度も意識する必要がないため、最も自由度が高い部分とも言えます。通常、あまり意識することもないかもしれませんが、工夫次第で、それほどコストもかけずに空間の質を飛躍的に上げることができる部位でもあるのです。

 

天井は高ければ良いというものではない  

天井を高くしようとするとその分コストはかかります。建材はもちろんですが、階高が高くなるので同じ高さの高層ビルでも、天井高が8フィートと9フィートでは、40階建てと35階建てと5階分も少なくなってしまいます。その差の分だけ大きく収益が減ってしまうので、「天井が高い=豪華」ともいえるでしょう。  

最近のカカアコの超高級コンドミニアムも階高が通常より1フィート高いものが増えています。天井を高くすると、空間が広く見え、開放感が増しますね。逆に8フィートよりも低いと圧迫感が強まり、不快になりがちです。  

ただ、天井を高くしすぎると逆に緊張感が増すという興味深い点もあるのです。例えば、高級ホテルのとても天井が高いロビーに入ったときに、身の引き締まるような軽い緊張感を覚えた記憶はありませんか。自然と、背筋も伸びてきちんと振舞おうという意識が働くものです。しかし、一旦客室に入ると今度はぐっと天井高が低く、居心地のよい落ち着いた空間が設けられているのです。  

レストランでも、ドレスコードがあるようなキチッとしたお店は天井が高く、アットホームな居酒屋は低めにすることで狙い通りの空間にすることが可能なのです。最近、天井がオープンでダクト等が見えているようなレストラン・カフェが増えていますが、天井を高くすればするだけ良いわけではなく、どのようなイメージのお店にしたいのかを意識するととても良いと思います。  

一軒家の場合にも、お客さんが来るようなリビングは天井高を高くして開放感がある空間にし、家族だけでまったりと過ごすようなファミリールームや寝室はぐっと低くするととても快適な家造りができるのではないでしょうか。  

次回は、高さ以外の天井の役割についてご紹介したいと思います。

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。