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元旦は、アグネス・マーティンの回顧展を観るため、フランク・ロイド・ライト設計の美しいグッゲンハイム美術館へ行きました。建物の入り口がまだ全く見えない先から長蛇の列。NYの美術館でよく見られる光景です。年間パスを持っていない場合は、展示によってチケットを買うだけで1時間近く並ぶこともざらにあります。

じっくりと作品を観た後のお気に入りは、美術館のギフトショップを訪れること。オシャレで面白いグッズがセンス良く並んでいる中、大好きな画家マーク・ロスコのカレンダーが目に飛び込んできました。迷わず手に取って、レジまで向かいました。しかし、ふと、本当に欲しいのはカレンダーではなくて、彼の原画を観ることだという強い思いが湧いてきて、結局、自分にしては珍しく衝動買いせずに美術館を後にしました。

 

最後にロスコの原画を観たのは、数年前。高松から千葉県にあるDIC川村記念美術館のロスコ・ルームまで足を運びました。ロスコの原画にはそう頻繁に出会えないけど、カレンダーを買わずに戻した時、いつかきっとまた原画に会えるはずだと信じて家に帰りました。

それから数時間後。夫アダムのステップママが、仕事で滞在しているLAから電話をかけてきました。新年を迎えることができた喜びを分かち合った後、お互いの近況報告。そして、電話を切る間際、ママが思い出したようにこう言いました。

「あ、そうそう。ロスコ展にはもう行ったの? もうそろそろ終わりよ」

なんと、マンハッタンの有名ギャラリーで、特別なロスコ展が開催中だと言うではありませんか!しかも、そこは家から徒歩たった10分という距離。まさかこんなにも近くでロスコの展示が行なわれていたのです。

結局、最終日までの一週間で3回も通いつめたことや、壁一枚挟んだ向こう側にロスコの息子さんが偶然来ていたことは余談ですが、ロスコの原画がみたいと思ってからわずか数時間、いとも簡単にママからの偶然の電話によって願いが叶うことになりました。

 

願ったことが実現することは今までもよくあるけれど、こんなにも最速は今までできっと初めて。でも、よく考えてみると小さなことから大きなことまで、実は、日々の生活の中で、自分が認識している以上にもっと山ほど良きも悪しきも思ったことが現実になって起き続けているんじゃないだろうか。

それなら、心底本当に、本気で自分が欲しいと思うことだけをこれからも遠慮なく、どんどん望んでいこう。

やりたいことをやる。いっぱい笑う。会いたい人に会う。そして、まだ見たことのない景色を見る。今年も感謝を持って思いっきりいきたいと思います。

 

 

大森 千寿
香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。www.chizuomori.com