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「YOSHIKIがカーネギーホールへ来るよ!」

え?? どこのYOSHIKI??

先日、言葉にできない程の感動を味わった体験は、こんな会話から始まりました。

X-JAPANのYOSHIKIがカーネギーホールで演奏する。それもクラシックでピアノなんだとNYC在住の友人から聞いたとき、私は関心がなかったのです。(ファンの方ごめんなさい)しかし、その後なぜか無性にYOSHIKIが、あの世界中の一流音楽家たちがこぞって演奏を目指す夢の舞台、カーネギーホールでピアノを弾く姿をこの目で見たい、どんな音なのか直接この耳で聴きたい! という気持ちがどんどん膨らんできて。しかも、私は今NYにいる。そうなると、行動するしかない。

 

2800人収容のホールは満席。様々な国から集まった観客の熱気と期待に包まれた空気の中、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏と共に、YOSHSIKIのピアノが始まった。透き通ったガラスみたいに美しくそれでいて優しくて。丸い円を描くみたいにホールに響き渡ると空気が一変。その魅力に取りつかれたかのように、少し前のめりに身を乗り出す観客たち。

とてつもなく素晴らしい音楽や芸術作品に触れた時、心を揺さぶられ、自分の中にある言葉を遥かに超えた感情が押し寄せてくる。気がつくと私は泣いていた。

演奏の合間には、ここまでの道のりは、計り知れないほどの困難があったことや、人生には夢のようなことが起きること、“Believe”することではじまっていくこと、そして私たちにあるこの瞬間の一つ一つが奇跡なんだということを、英語で私たち観客に向かって語りかけた。

アーティストとしての才能の凄さを魅せられたのと同時に、人間の持っている可能性って本当に凄いことなんだと改めて教えて貰った。

そして最後は感嘆の声が会場のあちこちで上がり、響き渡る拍手喝采。あのカーネギーホールが一体となり、国籍を超えた観客総立ちでのスタンディングオベーションが10分以上も鳴り止むことがなかった。

 

あ〜、行ってよかった! その時でしか味わえない経験ってあります。自分で実際に体験しないと、感じることのできない経験。

食わず嫌いって言葉があるけど、興味がないなと思って「体験せず嫌い」で終わってしてしまうのはもったいないな…。いつも柔軟な心を持っていたいし、自分の知らない世界ってまだまだ宇宙の星の数程たくさん存在する。新しい世界に触れるって、楽しい!

危うく「体験せず嫌い」しそうになったコンサートで、大きな学びと心に残る感動を貰いました。

 

 

大森 千寿
香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。www.chizuomori.com