踊り子のベビーアワビの踊り食い!新鮮だからキモまでおいしい。上はコナアワビの生育過程。海洋深層水と特許を取得した海藻で育ち、33ヶ月で手のひらサイズの成貝に。
去年カピオラニ通りに移転して、おしゃれに若返ったと評判の、老舗和食店“踊り子”に連れて行ってもらった。いつものメニューにはないウラなんだけど、知る人ぞ知る人気のスペシャルをオーダーしておいたからね、と言われれば、特別扱い感満載、期待もマックス。
お出ましになったのはジャ〜ン、ベビーアワビの踊り食い! 貝の王様、アワビが10コもテンコ盛り!!
踊り子で、ベビーアワビを10個もひとりで踊り食い!
ついに出会ってしまった。1コ丸ごとのアワビをひと口で食べられる至福は、大きなアワビのひと切れでは感じられない。肝も一緒に味わうから、うま味も最高。直前まで貝にくっついて生きていた、コリコリに元気で新鮮なアワビだからこその贅沢だ。それを10コも!? 私ひとりで食べてもいいのと、独占欲丸出しでなんども確認し、もみじおろしのポン酢で満喫した。
踊り子によると、ベビーアワビは本日のスペシャルで出ることもあるし、事前予約をすれば、生きて最高に新鮮なアワビを用意してくれるとのこと。
妊婦さんが戌の日に食べるほど、アワビは栄養の宝庫。
日本では、妊婦さんが戌の日(妊娠5ヶ月め)にアワビを食べる習慣がある。「アワビを食べると目がパッチリときれいな、健康な子が生まれるよ」と。これには栄養学的な裏付けもある。
アワビは滋養の宝庫で、コラーゲンやグリシンといった、細胞を再生する上質なアミノ酸がたっぷり。視力を養い、肝臓を解毒して疲労回復を促すタウリンも豊富。アスリートが筋力アップに摂るほど、乳酸疲労を解消し、筋肉増強に役立つアルギニンなどの微量栄養素も多い。
食品としての歴史も古く、日本最古の歴史書『日本書紀』にも、ヤマトタケルのおばさんヤマトヒメが、伊勢神宮の海で海女からアワビを贈られ、たいそうお気に召したというくだりがある。実際、伊勢神宮では2000年以上にわたり、アワビが献上されている。
結納など本格的な祝儀に使う、“ノシつき祝儀袋”。あのノシは、アワビを細長く切って乾燥させた“ノシアワビ”のこと。伊勢神宮へノシアワビを献上する、寿ぎの儀礼が民間にも広がったのだ。
アラモアナの、ビッグアイランドアバロニで、ベビーアワビ販売!
踊り子で絶品のベビーアワビは、コナで養殖をしているビッグアイランド・アバロニ社から仕入れられている。このアワビ、900mの深海の海洋深層水を使って養殖される。清浄でミネラル豊富な環境と、特許を取得した海藻のエサですくすく育つ。天然物のアワビだと手のひらサイズになるには7年以上かかるが、コナアワビなら33ヶ月で成貝に。ベビーアワビは1年弱で出荷される。そしてこれ、アラモアナの直営店で買えます! 30〜40ピースの1パウンド単位だけど、15ドルとお得、やみつき!
奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター 『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。 |