ドンキで見つけた、春菊や菜の花のスプラウト。ジャコとカリカリ梅を入れた、春菊スプラウトの海苔巻き。
私は幼稚園から大学まで、学生生活のランチのほとんどを母のお弁当で育った。母は料理が好きだったので、よくお弁当のおかず人気ランキングを挙げてはリクエストした。中でも“ほうれん草の海苔巻き”は常にベスト10入りを果たしていた。茹でたほうれん草を海苔で巻いて、一口大に切ってあるおかずなんだけど、これがお弁当にぴったり。
クローバーの海苔巻き愛、 そして最近は春菊スプラウトも参入!
作り方は、ほうれん草を固茹でし、だし醤油などで下味をつけて、水分をきつめに絞る。すりごまや、おかかを混ぜることもある。巻いた海苔がほどよく水分を吸ってくれるからベシャッとならず、一口で簡単に食べられるのだ。 ほうれん草の芯に、細く切ったかまぼこや干し椎茸のうま煮が入っていることもある。海苔と薄焼き卵の二重巻きの時もあって、私はこれが一番好きだった。
ハワイに来て、料理家のリコさんのローフード(加熱しないで、食材の生きた酵素を食べる調理法)教室に参加するようになり、クローバーのスプラウトの海苔巻きを習った。リコさんは芯に、人参やキュウリの千切りを入れていた。 私は海苔巻きも懐かしかったけど、クローバーの生の、軽快なシャキシャキ感にハマった。アルファルファよりブロッコリースプラウトより、クローバーの味と食感が好きなのだ。しかもクローバースプラウトは日本では売っていないから、ハワイにいる間中、ほんとにしょっちゅう、クローバーの海苔巻きを食べていた。海苔は、低脂肪高タンパクなスーパーフードでもある。 そして最近、ドン・キホーテで、春菊のスプラウトを発見した。菜の花や水菜もあるのだが、春菊はまさに「センダンは双葉より芳し」の通り! この春菊スプラウトの海苔巻きがまた、上出来のおいしさなのだ。
日刊サンのお弁当組は、 デザイナーと私の3人。
週に3回、私は日刊サンで編集や校正を手伝っている。新聞の記事や広告は前日の午前中、遅くとも1時くらいまでにはLAの印刷所に入稿しなければならないから、午前中は大車輪でレイアウトやら校正に追われる。だからデザイナーのサエちゃんとユウコさん、そして私はデスクにかじりついたままお弁当を食べ、午後の仕事に突入する。 お弁当には、なにはなくてもクローバーか春菊の海苔巻き。サエちゃんもユウコさんも野菜は欠かさない。サムズクラブのレディツゥイートのシリーズが便利で好きなんだそう。
春菊も青菜の中でも優れた栄養を持つ。緑色の色素はクロロフィルで、コレステロールを下げたり、血栓の予防に役立つ。葉酸も多く、貧血予防や妊婦さんの栄養には必須だ。β-カロテンも豊富で、体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強くして美肌に導く。漢方でも回復力や抵抗力を高め、古くから“食べる風邪薬”と言われている。 春菊スプラウトの海苔巻き、すし匠の大将、中澤さんに献上してお味見してほしいなあ。
奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター 『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。 |