ハワイの旅行者で最も多い死因が溺死だ。そのため無料でレスキューチューブを配布し命を救おうと運動が起きている。レスキューチューブはカウアイ島で実績を挙げ、オアフ島での普及が始まったばかり。試験プロジェクトはハワイカイ・ライオンズクラブ、ハワイアン・セメント、フイナル・カヌークラブの3つの団体と複数の個人による支援を受け、ビーチにより多くのレスキューチューブが届けられそうだ。
1つ約85ドルのレスキューチューブ100個の配布をめざし、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』で資金を募り始めたのは、ハワイカイ・ライオンズ・クラブ。「ハワイはとても平和的な場所に見えますが油断は禁物です。皆さんに来た時と同じように安全に帰って欲しいと願っています」と、同団体のレスキューチューブプロジェクト共催者であるエリック・クヴィック氏。個人でプロジェクトを支援しているジョエル・レオさんは、「レスキューチューブは利用が簡単でライフガードがいなくてもビーチで救命が可能になる」と語る。緊急事態を見かけたら、まず911に電話をし、レスキューチューブに書かれている使用法に従って欲しいとのこと。
海でレスキューチューブを使用する際は、決して溺れている人を助ける人自身につかまらせてはいけない。救助する側が水中に引きずりこまれてしまう可能性があるからだ。必ずチューブにつかまらせること。「救助する人とされる人の間にレスキューチューブがあるのがベストの状態です」とレオさん。 4月に入ってからハナウマベイで中国人旅行者2人が溺死してしまう事件が起きたばかりだ。「あんなに穏やかに見えるハナウマでさえ、事故が大変多いビーチです。私達の推測では旅行者が海で溺れるリスクは、ハワイ住民のおよそ10倍は高いと見ています」と保健局の緊急医療サービスに勤めるダン・ガラニス氏。同氏は特にシュノーケリング中が危険なので、レスキューチューブは有効だろうと加えた。
カウアイ島で配布を行った『レスキューチューブ・ファウンデーション』は、2008年以降140件の救助にレスキューチューブが使用されたと発表した。ハワイカイ・ライオンズクラブもオアフ島で同様の成果を挙げたいと願っている。クラウドファンディングの参加はhttps://www.gofundme.com/rescue-tube-projectから。 レスキューチューブの配布は4月29日午前10時から午後1時まで、マウナルア・ベイ・ボートハーバーで予定されている。希望者は予約の連絡をクヴィック氏へ。