安全なシュノーケリング・スポットとして評判のハナウマ・ベイだが、実際にはハワイで最も死傷者の多いビーチのひとつだ。
最近では5日夜、人々が帰路につく午後5時30分頃に、ライフガードの目の前で2人が溺死する事故が起きた。
緊急サービス当局によると、意識不明の男性は200ヤード沖で発見された。その30分後、女性を50ヤード沖で発見。ビジター・オブ・アロハ・ソサエティ・オブ・ハワイによると、2人は中国からの旅行者だった。どちらも20代で一緒に旅行中の2人だが、身元や関係性は明らかになっていない。
海洋安全局は、ハナウマ・ベイで溺死事故が多発する理由として、訪問者の過多を挙げている。「毎年、150万人以上がハナウマ・ベイを訪れています」と、ホノルル緊急サービス広報担当のシェイン・エンライト氏。「毎日何千人もがハナウマ・ベイに訪れます。溺死事故が起きた時は正に悲劇です」
緊急医療サービスの発表によると、2013年ハナウマベイには110万人が訪れ、1件の溺死事故が起きた。2014年には5件、2015年には150万人が訪れ2件の溺死事故が起きた。昨年2016年は160万人の訪問者に対し2件の溺死事故となった。
5日に起きた事故は2017年に入って初の溺死事故である。「とても悲しいです。穏やかなハナウマ・ベイでこんな事故が起きるなんて全く想像していませんでした」と、ノース・カロライナ州から訪れたケイディ・フロストさん。
エンライト氏はハナウマ・ベイの流れは穏やかに見えても危険性を伴っていると語る。「あまり知られていませんが、目に見えない強い潮流が存在しています。実際にその潮流に入るまで気づかないでしょうし、気付いた時には既に遅いのです」と同氏。
ハナウマ・ベイの訪問者は海に入る前に必ず教育的ビデオの鑑賞が求められる。そのビデオに、安全のための注意喚起を増やすべきだとする声もある。「潮流に焦点をあてて、潮流に捕まった場合や事故が起きた場合、緊急時の対応に関する内容を放送するなど、改善できるはずです」とジョージア州から訪れたジャスティン・オクさんは話す。
エンライト氏は、ハワイに向かう飛行機や空港、ホテル内で、海の安全に関するビデオの放映を検討中だと話した。