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Wine at home vol.3 世界を席巻し続ける、カリフォルニアワインの軌跡

Bynikkansan

4月 6, 2017

 

ヨーロッパ以外の新しいワイン産地は、「ニューワールド」と呼ばれています。 今やフランスの銘醸地と比肩するレベルにまで達した、ニューワールドのワインたち。実は、ニューワールドワインを躍進を牽引しているのは、「アメリカ」なのです。 アメリカのワインを語る上で外せない場所が、カリフォルニア州です。今回、カリフォルニアワインの歴史、象徴的なワインを一本紹介しましょう。

 

カリフォルニアがワインの主要産地

アメリカの主立ったワイン産地は、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州の4つの州です。 その中でもダントツに生産量が多いのが、カリフォルニア。 何と、アメリカのワインの約90%は、このカリフォルニアで生産されています。 アメリカのワインの歴史は、カリフォルニアの歴史でもあり、それを知ることがアメリカのワイン造りの全貌を知る鍵となってくるのです。

 

カリフォルニアのワイン造りの起源

カリフォルニアの地でワイン造りがスタートしたのは、18世紀後半頃。フランシスコ修道会がメキシコから北上し、太平洋側地域に伝導所をひらきます。この修道会によってブドウがこの地に伝播され、そのブドウを使ったミサ用ワイン造りが、カリフォルニアワインの起源とされています。

 

ゴールドラッシュによる発展

カリフォルニア州が誕生した後の19世紀後半。ゴールドラッシュによる人工の急増により、ワイン需要も一気に拡大します。さらに、ヨーロッパから優良なワイン用のブドウも伝来。カリフォルニア西部はブドウ栽培に適した気候であったことからも、次第にワイン産業が発展していったのです。

 

銘醸地として発展

禁酒法の撤廃後、第二次世界大戦中はヨーロッパワインが輸入できなかったため、カリフォルニアワインがさらに注目されます。その後、ロバート・モンダヴィなどの高品質ワインを造る生産者の出現や、カリフォルニアワインがフランスの有名シャトーを敗った「パリ・テイスティング」など、この土地の名声を挙げるトピックが次々と起こります。さらに、1本数十万円というカルトワインが出現するなど、世界各地からも注目されることとなったのです。

 

ロバート・モンダヴィ

カリフォルニアワインの発展を知る上で飲んでおくべきワインがあるとすれば、「ロバート・モンダヴィ」のソーヴィニヨン・ブランです。この地にソーヴィニヨン・ブランの栽培を広めた、パイオニア的存在として知られています。樽熟成を経たにも関わらず、爽やかなハーブの香りとフレッシュな味わいを持つ、洗練さと親しみやすさが共存した一本です。

 

カリフォルニアワインは今面白い!

カリフォルニアのワインといえば、果実味の凝縮感を重視したボディの強いワイン造りが主流でした。しかし、今はヨーロッパ風のエレガントなワインを造る生産者も増加傾向にあります。多様性に満ちた、カリフォルニアワインの「今」を追いかけてみてはいかがでしょうか。

 

写真
https://www.robertmondaviwinery.com/Sauvignon-Blanc

 

ナカゴミコウイチ
東京都在住。ワイン好きの裾野を広げるため、WEBサイトを中心にワインコラムを執筆しています。